まずは第一歩として評価できますが、まだ既得権益者の保護が現れており、労働者の安全確保という面からはきわめて中途半端といわざる得ない。依然、喫煙可能な箇所が条件付で認められており、その中に入室する職員や従業員は、受動喫煙にさらされてしまうことが避けられない。
神奈川県の条例は、以下のとおりです。
1.禁煙の施設(第一種施設) :学校や病院、福祉施設、映画館・劇場、金融機関、百貨店、公官庁など公共性の高い施設。煙が外に流れない喫煙所を設けることができる。
禁止区域でたばこを吸うと2万円以下の罰金、禁煙の対策を取らない施設の管理者には5万円以下の過料
2.禁煙か完全分煙を選べる施設(第2種施設)
:大規模な宿泊施設(延べ床面積700平方メートル超)や飲食店(100平方メートル超)、カラオケボックスをはじめとする娯楽施設。座席を単純に分けるだけでは不十分。煙が禁煙区域に流れないような仕切や空調を工夫しないといけない。
禁煙か分煙の対策を取らない施設の管理者には5万円以下の過料
3.規制が「努力義務」の施設 :小規模な宿泊施設(700平方メートル以下)や飲食店(100平方メートル以下)、パチンコ店やマージャン店などの風営法の対象施設。
実際には、違反者には個人2千円、管理者には2万円が徴収されます。(朝日新聞の記事より)
厚生労働省の基本的な方向性は、今のところ「受動喫煙による健康への影響は明確であることから、多数の者が利用する公共的空間については原則として全面禁煙であるべきである。」という程度にとどまっています。しかし、従業員の受動喫煙防止のため、一般的なオフィスの禁煙化の義務付けは労働安全衛生法を改正して推進されるそうですが、飲食店・宿泊施設のような商業施設の禁煙化については利害調整が難しそうです。
一方、たばこを吸えなくなった人は野外でたばこを吸い、側溝にポイ捨てをするようになります。この行為は環境への影響がきわめて深刻です。吸殻が雨水とともに海に流れ、海洋生物や鳥が摂取して死に至る被害が増えています。海岸清掃を行っていて最も多いのが吸殻です。
まず最初に屋外での喫煙について、条件を設けて罰則を設けるべきです。
シンガポールでは、禁煙区域でのたばこの喫煙や投げ捨てはS$1000以下(約7万円)の罰金です。
受動喫煙防止は、労働者保護のために公共施設や商業施設での全面禁煙を実施し、環境保全のために路上喫煙禁止及び吸殻の投げ捨て禁止を同時に行うべきです。
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