国土交通省と自動車事故対策機構が、安全な自動車がつくられ、消費者に選ばれることを目的に自動車の安全性能についてさまざまな試験を行い評価している。いわば自動車のリスクアセスメントといえる。
試験の内容は
I 衝突安全性能試験
・オフセット全面衝突試験
・側面衝突試験
・後面衝突頚部保護性能試験
II 歩行者頭部保護性能試験
III ブレーキ性能試験
IV 後席シートベルト使用性能評価試験
V 座席ベルトの非着用時警報装置評価試験
以上の試験の評価結果は公表されているが、自動車を購入する際、ディーラーから説明されたことはない。
衝突安全性総合評価は6段階で表され、事故に遭遇した場合に重症になる確率を表している。例えばBMWのMINI COOPERやホンダ
バモスは総合評価3、脳挫傷や大腿骨骨折などになる確率が60〜70%、ほとんどの自動車は総合評価5〜6で確率が50%以下になる。ただし、試験の条件がフルラップ全面衝突試験の場合、時速55kmであり、安全を確保するのであればもう少し厳しくした方が良いと思われる。
自動車のリスクアセスメントとしてある程度の評価はできるが、残留リスクのリスク低減対策が、まだ運転者の安全運転に委ねられ、メーカーの努力義務が明確でないところが問題である。
評価報告書の最後に、普及が望まれる安全装置の一覧が示されている。
・横滑り防止装置(ESC)
・衝突被害軽減ブレーキ
・車線維持支援装置
・全車速ACC(車速及び車間距離を自動制御)
交通事故による死傷者を減少させるには、道路交通法を強化するばかりでなく、自動車そのものをさらに安全なものにする法制化も必要であろう。
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