日本企業の体質は完全に国際化に遅れてしまったいる。
特に、発展途上国が躍進するグローバル経済のなかで、日本企業の人材育成及び外国人の活用において国際化という面で完全に遅れをとってしまったことである。
「CE建設業界2010.10」のなかで成相修氏が「かすんでゆく日本の姿」として寄稿されていた。
今年の通商白書によれば、労働総人口に占める外国人の割合は、日本は1.1%と米国(16.3%)、ドイツ(9.4%)、英国(6.6%)に比べて圧倒的に低い。日本の企業はグローバルな人材活用が十分でないことを表している。もともと日本経済は基本的には内需に支えられ、国内経済だけで食っていくことができた。海外に進出する場合も、国内のやり方をそのまま持ち込み、ガラパコス的な文化を形成してきた。
また、社内で海外要員育成のための研修会を開いているが、そのアンケートにおいて若年層の海外志向の低下が顕著になってきている。通商白書で引用されている産能大学の調査によれば、新入社員のグローバル意識を2004年と2007年を比べると、「海外では働きたくない」とする割合が28.7%から36.2%へ増加している。さらに海外勤務を命じられても「拒否する」と回答する割合が21.8%から30.5%へ増加しており、この傾向は今日でも強まっている。
韓国企業は、金融危機により壊滅的になった国内需要では経済活動を続けることができず、海外に活路を見出した。特に日本が進出していない発展途上国で基盤を築いた。その際、欧米のシステムを取り入れ、外国人を活用し完全に国際企業として立ち直った。サムソンやLGなどの社内の共通語は英語だとも言われている。
日本企業はなぜ国際化に遅れてしまったのだろうか。それは国内需要だけで食っていけたからである。あえて欧米のシステムを取り入れる必要はなかった。いつの間にか日本は保守的になってしまった。
そして外国人は通訳でしか必要なかった。
建設業に関して言えば、これからは国内需要がさらに落ち込み、このままでは会社の経営を維持していくことが困難であることは明白である。かといって、いますぐに海外に進出しようにも、欧米のシステムになれていないため戦っていけないのである。
TPPへの日本の参加の是非が問われている。韓国はEUとFTAを締結し、欧州市場において日本は関税がかからない韓国に不利な戦いを強いられるようになった。このままいくと日本は世界経済から完全に後れを取るであろう。農業分野の打撃は多少あるかもしれない。農業の生産性改善に手をつけてこなかったことが問題である。自由貿易圏に加盟すると、当然、建設業にも他国から業者が入ってくる。欧州の先例を見るまでもなく、建設業界の再編淘汰が加速するであろう。
建設業の国際化は、早急に改善すべき課題なのである。
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