2011年1月12日水曜日

本格的な電気自動車の登場

日産のEV(電気自動車)「リーフ」が、昨年12月22日に国内第1号として神奈川県庁に納車された。

リーフは、開発やモーター・電池の製造、車両の組み立てなどが神奈川県内で行われている、Made in Kanagawaの車である。三菱自動車のアイミーブと同様、ガソリンを全く使わない純粋なEV(電気自動車)で、かなり先進的な車である。

性能も市内走行には全く問題はないようだ。一充電時の航続距離はJC08モードで200kmもある(米国のLA4モードでは160km)。JC08モードは、新たに義務づけられた燃費の測定モードで、今までの10・15モードよりさらに実走行に近い厳しい基準である。ちなみにアイミーブは10・15モードで160kmと発表されているので、リーフの性能はかなり優れているように思われる。

電気で動くため冠水路や雪道走行の場合、電気がショートして使い物にならなくなるのではと、販売員に聞いてみると、完全に防水処理が施され、実際に冠水路の走行テストを行って問題ないことを確認しているそうである。

ガソリンの消費がなく、CO2を直接排出しないのでこれほど環境に良い自動車はない。しかし、普及には数々の問題がある。
まず、第一に価格が高いこと。リチウムイオン電池の生産コストが高いことが主な原因である。ただし、生産量が増加すれば価格が下がると予想される。
第二に、充電設備がごくわずかしかないことである。NEXC0のサービスエリアに急速充電設備がなく、長距離高速走行ができないことである。

日本の将来技術を育てるためには、高速道路を無料にするために予算を投入することより、電気自動車の普及のための補助金や充電設備設置の補助に予算を投入すべきです。太陽光発電の補助金を廃止したために、それまで世界第1位の生産量を誇っていたソーラパネルがあっという間にドイツや中国に抜かれた苦い経験がある。
政府が電気自動車を短期間に普及させ、世界をリードして新たな産業に育てるという方針をはっきりと立てる必要がある。中国メーカーも電気自動車の開発を急いでおり、のんびりしてると中国に先をこされるかもしれない。

日産による電気自動車の大量生産の開始は、今後の日本の環境問題と工業技術を考える上で、エポック・メーキングになると思われる。

日産リーフの仕様
 ・車体寸法: 全長 4,445 mm、全幅 1,770 mm、全高 1,545 mm
 ・車両重量: 1,520 kg
 ・乗車定員: 5 名
 ・JC08モード交流電力消費率: 124 Wh/km
 ・JC08モード一充電走行距離: 200 km
 ・駆動用バッテリー 総電力量: 24 kWh
 ・最高出力: 80 kW(109ps)/2,730〜9,800 rpm

参考資料; 日産EVのウェブサイト

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