2012年4月18日水曜日

監督職員の災害

安全管理の指導的立場である監督職員がヒューマンファクターにより被災した場合の対応が一番苦慮する。

いつも朝礼で作業員に安全のコメントを喋っている監督職員が、こともあろうにクレーン台船から平台船に渡ろうとして転落し台船の間に挟まれた。当時やや波があり、渡ろうとした箇所には梯子もなかった。また、行く必要のないところに一人で行って、目撃者は誰もいない。

監督職員がルール違反を犯すと、協力会社や作業員に対し何も言えない状態になってしまう。それだけ監督職員の行動は慎重であるべきで、高い安全意識が求められる。

指導的立場の技術者には作業員の安全を確保するという安全に対する使命感と自ら安全のお手本を示すという指導者意識が必要である。これら意識を持たない者は技術者(エンジニア)とは言えず、指導的立場の職責を全うすることができない。

しかし、最近このような自称「技術者」が増えている。発電所工事やプラント工事等、大規模の建設現場には、専任の安全担当者が配置されていることがある。このような場合、監督職員が安全管理を自分の職務とは思わず、安全担当者に任しとけばよいという傾向に陥る。ライン管理とスタッフ管理の職責の違いを理解していないのである。

若い担当者には、技術者の基本職務は何なのか、もう一度考え直すことも必要である。

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