新規入場者教育は、建設現場のルールを作業員に直接伝える絶好の機会です。
どこの現場でも新規入場者教育を行い、現場の安全衛生方針や計画、現場規則、作業手順などを元請職員が直接説明していることと思います。
安全教育を30分以内で済ませるところもあれば、半日かけて実施するところもあり、現場の事業規模に応じて様々です。
しかし、どんなに親身になって説明しても、作業手順を守らない作業員、法違反を犯す作業員がいます。また、健康の不具合を偽って重労働についたりするケースもあります。このような申告は本人の良心に任せるしか手はありません。新規入場者教育を実施したからと言って、全員がそれを守ってくれるわけではないということを肝に銘じておく必要があります。
建設現場におけるヒューマンエラーは、危険であることやルール違反であることを知っていながら危険な行為を起こすことが多いです。製造業や交通機関のヒュウーマンエラーとは少し内容が違います。
現場の安全文化が低いと作業員は危険を冒しても得られる価値(効用・リターン)が大きければリスクのある行動を取る傾向にあります。作業員にリスクを過小評価しないような意識を新規入場時に植え付ける必要があります。
新規入場時教育をまだ経験の浅い若手元請職員や協力会社職長に任せ放しにしていたり、ごく短時間で形式的にやっていると、ルール違反の誘惑が芽生えやすくなるでしょう。
そこで元請職員は、新規入場時から作業員とコミュニケーションをとる努力が必要です。近頃の元請職員は、一日中パソコンとにらめっこして現場にも出ないことが多く、これでは災害が減らないでしょう。
コミュニケーションを築くには初めが勧進です。新規入場者教育は教育の中でも重要な役割を担っています。
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