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2010年7月28日水曜日
2010年7月21日水曜日
移動式クレーンによる吊り走行
吊り走行は、昭和50年4月10日付基発第218号により原則禁止となっています。
しかし、作業によってはどうしても行わざる得ない場合があります。
たとえば、狭い場所でのクレーン仕様バックホウによるヒューム管や敷鉄板の移動やクローラクレーンによる杭の移動、起重機船によるケーソンの吊り移動、レッカー車による車の移動などです。造船所の中では、意外とよく移動式クレーンによる鋼製ブロックの吊り移動を見かけます。
また、ラフタークレーンやクローラクレーン、起重機船はある条件の下で吊り走行が可能な構造になっています。
法令違反ではありませんが、他に方法がなく、どうしても吊り走行しなければならない状態でない限り、厳しく禁止すべきです。
他に代替方法がなく、どうしても吊り荷走行しなければならない場合は、「ホイールクレーン及びクローラクレーンの吊荷走行時の安定に関する指針(JCA規格)」を参考に対策を立てる必要があります。以下に抜粋すると
1.吊り荷走行姿勢の移動式クレーンは、前方、側方、後方の性能が大きく異なる。機体正面に荷がない場合は、アウトリガを一旦張り出すか、クレーンを移動させて機体の正面で荷を吊る。
2. タイヤの空気圧を規定圧力にし、かつ、サスペンションロックシリンダを最も縮小した状態にしする。
3. ジブを縮小状態にする。(補助ジブは使用禁止)
4. 走行は、できるだけ低速(2Km/h以下)で、直進のみで走行する。移動式クレーンを走行させる時は、旋回ブレーキ、ドラムロック、巻上げレバーロックを掛ける。
5. 走行する地盤が水平で、タイヤの接地圧に耐えられることを確認する。地盤が軟弱な場合や傾斜又は凸凹がある場合は、つり荷走行は行ってはならない。
6. メーカが示す吊り荷走行の前方領域のジブ角度や定格総荷重は、水平堅土において使用した時の数値であるため、吊り荷の質量は前方領域のジブ角度を超えないような余裕のある荷重でなければならない。
7. 吊り荷は、地切り程度の高さを保持し、添えロープ等で荷を機体側に引き寄せるかフロントバンパで支える等して荷振れを起こさないようにする。
8. アウトリガを有するものは、アウトリガを張出し、アウトリガフロートを地上から少し上げた状態で走行する。
9. 急ハンドル、急発進、急ブレーキ、変速操作、吊り荷走行中のクレーン操作、つり荷の自由降下等は行ってはならない。
これ以外にも、ワイヤーロープの損耗度、吊り荷の定格荷重に対する余裕、玉掛者の退避措置などの確認が必要になります。そして実施する場合は、KYK(危険予知活動)を実施し危険性を労働者に周知する必要があります。
かつて、私が消波ブロックの製作に従事したとき、吊り走行を認めるかどうかの議論しましたが、吊り走行ではなく吊って仮置きしクローラを移動させて再度吊り上げ転地する方法を指導しました。時間と費用のロスは当然発生しますが、安全第一です。
2010年7月14日水曜日
同調化の問題
草食男子が多くなり、若い男性職員の覇気がなくなってきたといわれている。
Wikipediaによると
草食系男子の定義は論者によって異なる。深澤は、「草食男子」を、『恋愛やセックスに「縁がない」わけではないのに「積極的」ではない、「肉」欲に淡々とした「草食子」』と定義した。森岡は、「草食系男子」を、「新世代の優しい男性のことで、異性をがつがつと求める肉食系ではない。異性と肩を並べて優しく草を食べることを願う草食系の男性のこと」と定義した。牛窪の定義は深澤の『平成男子図鑑』の論旨とほぼ同様。森岡は、その後、「草食系男子とは、心が優しく、男らしさに縛られておらず男女関係のことが定義されている。
草食男子は、これからの日本にとっては大きな弱点となりうる。
まず、積極的にかかわろうとせず、ただ回りにあわせて同調し保身を図ることばかり考えている。そして新しいことにあえて冒険しようとしない。
同調も非積極的な活動に同調しようとする。これでは、なかなか現状を改善し、組織を発展させていくには重荷になる。
日本は明治維新以降海外列強に負けじと、野心的な活動をしてこれまで海外市場に進出してきた。しかし、ここにきて日本は世界の流れら取り残されようとしている。そして経済活動は不活発になる。
一方、韓国の男性は挑戦的であり物事への取り組み方が実に熱い。そして少々の失敗を恐れずどんどん新たな世界に挑戦している。今、日本の男子にこの熱い思いが全くない。むしろ、若い女性の方が熱い。
同調化傾向は、業務が活性化せず、災害が発生したり、品質の問題が発生しても、何となく有耶無耶に終わってしまう傾向がある。草食男子に対していくら声高に叫んでも無反応なのである。周りが反応しないので自分も周りに同調し無反応になる。
熱く燃える若者が増えることを望みます。
2010年7月7日水曜日
OHSAS18001とCOHSMSの違い
OHSASは、BS及びISOの流れとして規格化されたものであるのに対し、COHSMSは、ILOのガイドラインに基づき、各国がOHSMSの指針を策定し、建設業災害防止協会が建設業に合うようにマネジメントシステムを構築したものです。
特徴としては、OHSASは国際規格に準拠したものであるためにISOのように仕組みや形をより重視する傾向にある。一方、COHSMSは、労働者の安全確保を鮮明にしておりパフォーマンスをより重視し、実質を伴わなければならないとしています。
アプローチは規格要求からはいるか、従来の安全管理の発展的延長から入るかの違いであり、一言で言えば「QMSは顧客満足が目的である」という言い方をすれば、「OHSMSは労働者の安全が目的である」と言える。
その中で、大きく違う点は、OHSASは、第三者の認証を必要としているのに対し、ILO-OHSMSは認証は必要としないとしている点です。前者は欧州を中心とした認証機関の思惑が感じられ、後者は、安全管理は従来から官民で高度な管理を行ってきたものであり、それを自主管理できるように整理しただけであるからとしています。今後、企業が国際舞台に進出する場合は、第三者認証を要求されるケースが増えてくると考えられます。
また、細かいところに差はあります。OHSAS18001では、各国の法律に従うことが、「4.3.2
法的その他要求事項」として明文化されています。対象はすべての職場であり、事務所業務のリスクアセスメントも必要になってきます。
国内において建設業は、建前と実情の乖離があり労働者にも当然「法令を守るべき義務」があるのに、災害が発生すると管理責任のみが追及されます。マネジメントシステムの限界性も見えてきます。
また、監視なども明文化されています。EMSの規格要求がそのまま労働安全衛生に適用しています。
一方、COHSMSには、「5.1.2
労働者の意見の反映」が明文化され、労働者の参加を不可欠としています。OHSAS18001も2007年版からは、「4.4.3.2参加及び協議」として労働者の参加を取り入れています。
これらの時間的な差は、OHSAS18001は、ISO14000をベースに規格化されたものであるのに対し、COHSMSは、政府機関・労働組合の代表・事業者がこれまで蓄積してきたノウハウをマネジメント化した生い立ちの差から生じています。両者の差は改訂されるたびにより近づいてきています。
したがって、基本的な内容の差はないと考えてよい。
労働安全衛生マネジメントシステムは、労働環境の改善の問題であり、いくら立派な文書が整っていても災害を起こしてはなんの意味もありません。どちらのマネジメントシステムを採用しようと、文書を整備するだけでなく実際に災害を起こさないようにすることが第一の目的です。