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2011年8月10日水曜日

相変わらず多い脚立の不正使用


墜落・転落災害の原因で脚立に起因する災害が実に多い。

脚立は、ホームセンターで簡単に購入することができ、建設業やプラント業以外の家庭でも使われている。その反面、基本的な使い方をしないで事故になるケースが多い。

脚立は堅い地盤に水平に設置し、脚を開いてグラグラしないようにしなければならない。さらに、最上段及び最上段から1段目には立ってはいけないことになっている。

写真のように、脚立を斜めに設置して、さらに最上段に立って作業して、事故にならない方がおかしい。おまけに、ヘルメットも被っていない。

多分、この作業員はこのような作業はやってはならないと教えられていて、分かっていながらめんどくさいから、きちっと直さずに行なっているのだと思われる。ヒューマンエラーの最も多い、規則無視である。

大手通信建設会社も山奥では誰も見ていないということでこのような作業をするのだろうか。この会社の安全文化はかなり低いのであろう。

2009年12月22日火曜日

安全帯使用の訓練

危険感受性訓練として安全帯の使い方の実地訓練があります。

二丁掛ランヤードは、慣れないとなかなか上手く使えません。慣れるために現場に訓練施設を作り、一人ひとり実際に安全帯を使用するのが効果的です。胸のD環にリクラクティング・ライフライン(セフティブロック)のフックを掛け垂直ラダーを登り、水平ライフラインにランヤードのフックを掛け、リクラクティング・ライフラインのフックを外して、残りのランヤードのフックを水平ライフラインに掛ける。そして水平移動して元に戻る訓練を何回も行います。 我々安全担当者も言うのは簡単ですが、いざ自分が行うとなると、なかなか身体がついてきません。

  今後さらに改造を加え、ロリップを使った昇降や、フルボディ・ハーネスでぶら下がってみる訓練、人形を落としてみるなど行って、危険感受性を高める必要があります。
フルボディ・ハーネスの場合、ランヤードを使わない場合の収納に工夫が要ります。だらんと垂れ下げると足に絡まったり、突起に引っ掛かったりします。実地訓練をすると足に絡みそうになったりする失敗も見受けられます。
広い場所がない場合、入り口に単管パイプを水平に連結して、ランヤードをそこに掛ながら入り口を通過して安全帯に慣れるようにしているところもあります。当たり前のようでも、基礎からもう一度使い方を確認するのは、安全意識を高める上で非常に効果が上がると思います。

2009年11月13日金曜日

作業用足場

  東南アジアでは、シンガポールを除いて規格品の足場材料が自由に入手できるところは少ないようです。日本製中古の枠組み足場が手に入るのですが、ブレース止めが錆びて取れていたりして安心して使えません。民間の建築では未だに自然の木材や竹などを使っているところを見かけます。
  到底足場とはいえないような設備でも、立派な建物が完成します。(インドネシア)
  民間建築工事では、ヘルメットなし、安全帯なしなんて当たり前のようです。したがって公共性のある工事で足場には手すりを設けろ、ヘルメットをかぶれ、フルボディハーネスを着用しろ、と指示しても、もともと慣れていないのでなかなか徹底できません。(インドネシア)
  竹製の足場もまだ健在です。竹は弾力性があり優れた材料ですが、裸足で登っていく様はかなり原始的です。(ミャンマー)
   ここまで足場を組ませるのは大変です。日本では安衛則が改正され中桟(middle rail)や幅木(toeboard)の取り付けが義務化されましたが、OSHAでは細かく規定されていて後追いをしているようです。発電所や化学プラントの建設現場では当該国の基準ではなくOSHAを採用するところが多く、写真のようにインドネシアの片田舎でも中桟、幅木の取り付けを義務付けられ、普段は竹製の足場を組んでいる足場工(scaffolder)でもなんとか組むことができます。
  日本では「足場の組立等作業主任者」が選任され現場で指導していますが、インドネシアでは国家資格であるscaffolding Inspectorがいて、組立て後の検査を行っています。検査合格の場合は緑色タグ、不合格の場合は赤色タグを取り付け使用禁止にします。
  Scaffollding Inspectorもいい加減なことをすると首になるので、結構真剣にやっています。しかし、肝心の足場計画がしっかりしていないと後追いの管理でしかありません。エンジニアがしっかりと安全も含めた計画を立てなければなりません。ここに問題の本質があるようです。

2009年11月2日月曜日

フルハーネス型安全帯の普及

安全帯には大きく分けて胴ベルト型安全帯とハーネス型安全帯があります。

日本では胴ベルト型安全帯が広く普及していますが、欧米ではハーネス型安全帯が主流です。さらに欧米では胴ベルト型を禁止している国もあり、シンガポールでも胴ベルト型安全帯の使用を禁止していて、フルハーネス型でないと使用できません。


胴ベルト型安全帯が禁止されている理由は、落下阻止時にかかる身体にかかる負荷が大きすぎるため、内臓を圧迫し重大な傷害を負うことがあります。実験でも数kNの衝撃荷重がかかるそうです。


自動車のシートベルトも当初は腰ベルト方式(2点式)でしたが内臓を圧迫して傷害を受ける危険性が大きいので、今では3点式シートベルトに変更されています。

最近、各地で体験型安全教育設備ができ、その中で胴ベルト型安全帯を装着してぶら下がってみることができるようになっていますが、実際にぶら下がってみると苦しくて長い間ぶら下がっていることができません。静止状態でぶら下がっても苦しいので、墜落したときなど相当な衝撃だと実感します。

人の命を救うための安全帯であれば、無傷で救ってあげなければなりません。

なぜ、フルハーネス型安全帯が普及しないのか、それは安全帯着用の運用方法にも問題があるかもしれません。建築工事現場の外周足場ではどこもかしこも「ここでは安全帯着用」の表示がありますが、ほとんどが安全帯を腰に着けているだけで使用していません。安全帯は個人用保護具でありリスク低減策としては最後の手段です。それを前面に出すため安易に考えてしまっています。

リスク低減の最終手段として使う場合は、安全な足場が確保できないときであり、フルハーネス型安全帯を着用させて作業をさせるべきです。
現場の中で、何が重要か、メリハリがついていないところからくるのだと思います。

危険性を伴う胴ベルト型安全帯には、たばこや酒と同じように「使用方法によっては、あなたを殺すことがあります」と大きく表示すべきです。ただし、二丁掛けフルボディハーネスは、重量が3kgもあり、慣れないと腰が痛くなります。

安全帯に関しては、シンガポールやインドネシアのほうが日本より先進性があると思います。

2009年8月6日木曜日

ベトナムの足場・型枠支保工事情

ベトナムで泊まったホテルのすぐ横で高層アパートや小規模ビルを建築していました。
(発注者、建設会社とも不詳、地元建設会社と思われます)

今回改正させた日本の足場規則からすればほど遠い感じですが、ベトナムではかなり立派な足場の部類に入るようです。
まず、単管パイプを使ってきっちり組んでいますが、墜落防止措置はほとんどと言っていいほどありません。ここまで危険すぎると、誰もが注意して墜落転落災害は発生しないのでしょうか?

このような高層アパートも鉄筋コンクリートの柱と床があるだけで、壁はレンガを積んでいます。レンガの表面をモルタルで下地を塗り白く仕上げて判らないようにしていました。
このような足場を組むのは、非常に怖いと思うのですが、これが標準という価値観で育っていると何とも思わなくなるのでしょう。
型枠支保工もここまでくれば逆に芸術的と言えます。地元建設会社の使える資材を可能な限り有効に利用しています。もし日本で仮設工業会の資材が手に入らなくなり、自然の材料を使ってこのように組めと言ってもできる人はいないでしょう。
見ての通り、非常に危ない状態ですが、資金力がほとんどない地元業者はそれなりに一生懸命やっているところが伺えます。このような状態を見て日本と同じようなビティやパイプサポートを使って日本やアメリカの法令通りと手すりを設けろと言っても無理な話です。ほんとに彼らにはお金がないのです。

このような状態でどのように指導すれば良いか、現実は厳しい問題があります。

2009年5月29日金曜日

足場の規則が改定

平成21年6月1日から労働安全衛生規則の一部が改正されます。

その中で、仮設通路、足場、作業構台の墜落防止関係及び転換関係が建設作業の現場に関係し、その解釈をめぐって混乱も見受けられます。

第一に、仮設通路の手摺の高さが75cmから85cm以上に改められたことですが、ほとんどの会社の社内基準では90cm以上に定められていて、なぜ中途半端な85cmになったのかが分かりません。

英国の高所作業規則2005年では手摺の上桟及び他の類似の防語方法では、その高さを少なくとも95cm以上としなければならないとなっています。
米国のOSHA安全規則(29CFR)では転落防護柵の最上横木の高さは、作業床から110cm±8cmとするとなっています。

第二に、転落防止措置として枠組み足場にあっては、交差筋交い及び高さ15cm以上40cm以下の桟もしくは高さ15cm以上の幅の幅木、単管足場にあっては高さ85cm以上の手摺及び中桟を設けることになっています。

これを内側も外側も行うのかということで、各労働局の見解が分かれていて現場が混乱しています。多分説明方法の違いによって理解の仕方に違いがでているだけで考え方は基本的に同じだと考えます。

原則この規定は内側も外側も適用されるべきです。なぜならば転落の危険性があるからリスク低減策を講じるのであって、もしリスクが低ければ行う必要がなくなります。
足場と躯体に開口部があり転落の危険性があれば、いくら作業をするたびに手間隙かかるといえど講じる必要があります。しかし、躯体との間に全く隙間がないように転落防止策を講じていれば必要がないと考えます。
墜落により労働者に危険を及ぼす箇所は、内側であろうと外側であろうとこの設備を講じる必要があります。

2009年4月17日金曜日

安全帯は安全か

現場ではちょっと高いところに上がったら、アホの一つ覚えのように安全帯を着けろと言うことが多いようです。安全帯を着けていれば安全だと思っているのだろうか。

最近は安全体験訓練施設が増えてきて、実際に安全帯を着用してぶら下がることが体験できます。でもいくら腰骨に合わせて安全帯をセットしても、いざぶら下がってみるとお腹に食い込んで苦しい。この状態で落下したら内臓を強く圧迫するのは間違いまりありせん。
したがって、安全帯は絶対安全とは言えません。墜落して命を落とすよりはましな程度です。

安全帯の名前を変える必要があるでしょう。危険性低減索かリスク低減ベルトでも言えばいいのか、ちょっと長ったらしい。

安全帯のリスク低減効果は完全ではないことを知っておかなければなりません。

つい最近、安全帯が凶器になる光景を目の当たりにしました。
海上の導材上で鋼矢板を打設していました。鳶工が鋼矢板のセクションをかみ合わせようとしたとき、急に突風が吹き鋼矢板が大きく揺れた。そのとき鋼矢板が鳶工の安全帯に引っ掛かり、体を持っていかれ、あと少しのところで既設鋼矢板と吊り込んでいる鋼矢板の間に挟まれそうになりました。安全帯をしていたために逃げることができなくなったのです。
その後も転落の危険性があるので安全帯を継続して使用しまさたが、朝のKYの項目に予想される危険性が一つ増えました。

安全帯は、使い方によっては危険性を伴う。

2009年3月31日火曜日

手摺先行足場

ある日の安全パトロールでのことです。

 港湾工事のコンクリートケーソン製作現場で「手摺先行式足場」を採用していました。組み立て中の最上段はきっちりと立ち入り禁止になっていて一見申し分のない管理をしているように見えました。
 しかし、よく見ると組み立て中の最上段のコーナー部分や昇降階段の部分に手摺が全くない箇所があり、それを放置していました。

 この現場は、「手摺先行式足場」を採用した意味を全く分かっていないのです。
 「手摺先行式足場」は組立作業中の災害を防ぐために前もって手摺を付けておく方法です。したがって、どうしても前もって手摺を付けることができない隅角部や昇降部分は足場を設置した時に即取り付けるべきです。それを何もしないで放置しておくのは問題です。

 土木現場では、国土交通省の指導の成果が上がり「手摺先行式足場」を採用するケースが多くなっっています。特にケーソンでは躯体との隙間が無いように歩み板が設置され幅木も取り付けられ完璧に近くなっています。
 しかし、建築現場では手摺先行式足場の採用はまだ低調です。この土木と建築の安全文化のギャップを何とかして埋めなければなりません。