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2012年10月30日火曜日

安全標識のグローバルスタンダード

JIS規格には安全標識が制定されていて製造業では既に導入されているところが多いが、建設現場ではあまり採用活されていません。
「JIS Z 9101安全色及び安全標識・産業環境及び案内用安全標識のデザインの通例」です。
しかし、海外の建設現場では広く導入されています。どの国に行っても同じデザインで表示することによって、だれでもわかるようにするということでユニバーサルデザインが採用されています。

現在のJIS規格は2005年に改訂されたものであるが、ISOの最新版(2011年版)に準拠していないので、今のところ海外の現場の安全標識と整合性が取れていません。


日本の建設現場では、未だに左のような安全標識が多いです。建災防の統一標識も日本独自のものでグローバルスタンダードから程遠いデザインです。またそれぞれ安全用品会社の独自デザインで作成されていることが多く、グローバルスタンダードに合わせようとする文化も気迫です。

最新版は、ISO7010:2011(E)Graphical symbols- Safety colours and safety
signs- Registered safety signs
ISOのデザインは、色と形と単純なデザインで非常に判りやすくなっています。

    : 丸に斜線(赤色): 禁止
    : 四角(白抜き絵): 防火
    : 逆三角(黒色枠線/黄色地): 警告
    : 丸(青色地/白抜き絵): 指示・誘導
    : 四角(白抜き絵): 安全状態

日本の建設現場では、ISO安全標識を採用していないため、グローバルスタンダードから相当遅れていると言わざる得ない。

いずれ、日本国内だけでは事業を継続していくことができなくなると予想されるが、その時、日本の常識は世界の非常識となりかねない。
建設現場もガラパコス状態になりつつある。この状態から早く脱出しにと世界の孤児になってしまうだろう。

2010年11月24日水曜日

建設業の国際化

トヨタの車が世界中で走り回り、パナソニックの製品が世界中で販売されているため、日本企業はすでに国際化したように思ってしまうが、実はそうではないようだ。

日本企業の体質は完全に国際化に遅れてしまったいる。
特に、発展途上国が躍進するグローバル経済のなかで、日本企業の人材育成及び外国人の活用において国際化という面で完全に遅れをとってしまったことである。
「CE建設業界2010.10」のなかで成相修氏が「かすんでゆく日本の姿」として寄稿されていた。
今年の通商白書によれば、労働総人口に占める外国人の割合は、日本は1.1%と米国(16.3%)、ドイツ(9.4%)、英国(6.6%)に比べて圧倒的に低い。日本の企業はグローバルな人材活用が十分でないことを表している。もともと日本経済は基本的には内需に支えられ、国内経済だけで食っていくことができた。海外に進出する場合も、国内のやり方をそのまま持ち込み、ガラパコス的な文化を形成してきた。
また、社内で海外要員育成のための研修会を開いているが、そのアンケートにおいて若年層の海外志向の低下が顕著になってきている。通商白書で引用されている産能大学の調査によれば、新入社員のグローバル意識を2004年と2007年を比べると、「海外では働きたくない」とする割合が28.7%から36.2%へ増加している。さらに海外勤務を命じられても「拒否する」と回答する割合が21.8%から30.5%へ増加しており、この傾向は今日でも強まっている。

韓国企業は、金融危機により壊滅的になった国内需要では経済活動を続けることができず、海外に活路を見出した。特に日本が進出していない発展途上国で基盤を築いた。その際、欧米のシステムを取り入れ、外国人を活用し完全に国際企業として立ち直った。サムソンやLGなどの社内の共通語は英語だとも言われている。

日本企業はなぜ国際化に遅れてしまったのだろうか。それは国内需要だけで食っていけたからである。あえて欧米のシステムを取り入れる必要はなかった。いつの間にか日本は保守的になってしまった。
そして外国人は通訳でしか必要なかった。
建設業に関して言えば、これからは国内需要がさらに落ち込み、このままでは会社の経営を維持していくことが困難であることは明白である。かといって、いますぐに海外に進出しようにも、欧米のシステムになれていないため戦っていけないのである。

TPPへの日本の参加の是非が問われている。韓国はEUとFTAを締結し、欧州市場において日本は関税がかからない韓国に不利な戦いを強いられるようになった。このままいくと日本は世界経済から完全に後れを取るであろう。農業分野の打撃は多少あるかもしれない。農業の生産性改善に手をつけてこなかったことが問題である。自由貿易圏に加盟すると、当然、建設業にも他国から業者が入ってくる。欧州の先例を見るまでもなく、建設業界の再編淘汰が加速するであろう。

建設業の国際化は、早急に改善すべき課題なのである。

 

2010年4月28日水曜日

技術者の国際化

日本の建設技術者や労働安全コンサルタントは、海外市場で本当に戦っていけるのだろうか?

かつてイラク・イラン戦争やイラン革命以前のオイルマネー特需による開発プロジェクトに多くの日本の建設会社が中東に進出して大損害を蒙ったケースが目立った。そして、現在も多くの日本の会社が海外に進出しているが、各地で苦戦を強いられている。その原因は、リーマンショックに代表される米国金融危機などの影響が大きいが、根本原因の根は深く、日本の建設会社は海外で堂々と戦っていく実力があるのかと疑わざる得ない問題を多く抱えています。

製造業は、当初国内市場が小さかったために、会社の生き残りをかけていち早く海外市場に進出し、海外市場で高い評価が得られるようになりました。海外の市場を調査し、海外スペックを取り入れ、契約社会にも順応していったからこそ、海外メーカーと互角に戦えたのだと思います。製造業でも国内市場が大きく、国内のメーカー同士で競争している業界、例えば携帯電話やパソコンメーカーなどは、国内市場に甘んじていたために、もはや海外で戦える力を備えていません。

同じように建設業も、国内市場で政府と建設会社の蜜月な関係を築き、政府主導の公共事業のパイを分け合って成長してきた。そこには、国際的な契約社会では考えられないような阿吽の呼吸が存在し、海外市場に本格的に取り組むことはなかった。
一方、欧州は近年に経済体制が劇的に変化した。EU諸国は、国境が取り払われ自由に経済活動ができるようになるとともに、政府は公共事業の執行に際しても自国以外の企業に開放した。そのため、建設会社も自国以外で活動することができるように体質を変えていった。隣の韓国は、自国の市場が小さいために活動の範囲を海外に置くようになり、今では日本を凌いでいる。

まず、日本の建設会社のハンディキャップとしてあげられるのが英語力です。しかし、これはコミュニケーションの一つの手段であり、お互いに理解し合う意思があればなんとか克服できます。しかし、日本語文書を英語に訳したりする手間は、余分な労力を強いられハンディには違いありません。

しかし、技術者として専門技術力がないと発注者やレジデント・エンジニアやセーフティ・エンジニアと対等に議論することができません。日本人技術者は大学卒業以来、技術力を切磋琢磨することよりも段取り師として下請けのケツを追い回すことに力を入れて会社で過ごしてきた。その結果専門的知識どころか基礎知識も保持していない技術者が多くなった。工事を下請けに外注することにより、技術者の「技術の空洞化」とが進んでいます。

さらに、日本の公共事業が契約に忠実に行われることがなく、契約とは関係なく受注業者無理を強いるような、国際契約約款とは程遠い環境に慣らされてきた。このような習慣が染み付いた技術者が欧米の契約社会になかなか追従することができないでいる。

日本人建設技術者は、特に安全衛生(OH&S)、環境(E)、品質(QC)、契約管理(QS)が苦手である。労働安全コンサルタントは、欧米のセーフティ・エンジニアと遜色ない安全衛生の知識を持っているがシステマチックなマネジメント力や契約に基づいた安全管理、レターのやり取りなどに慣れていないため、なかなかリーダーシップをとることができない。

日本の労働安全衛生コンサルタントを欧米と対等に渡り合えるように、国際水準の安全管理を目指して全世界に情報は発信をしていきたい。そのためにはCPDを活用した資格登録の更新制や海外諸国の資格との相互承認が必要であろう。