東南アジアでは、シンガポールを除いて規格品の足場材料が自由に入手できるところは少ないようです。日本製中古の枠組み足場が手に入るのですが、ブレース止めが錆びて取れていたりして安心して使えません。民間の建築では未だに自然の木材や竹などを使っているところを見かけます。
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到底足場とはいえないような設備でも、立派な建物が完成します。(インドネシア)
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民間建築工事では、ヘルメットなし、安全帯なしなんて当たり前のようです。したがって公共性のある工事で足場には手すりを設けろ、ヘルメットをかぶれ、フルボディハーネスを着用しろ、と指示しても、もともと慣れていないのでなかなか徹底できません。(インドネシア)
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竹製の足場もまだ健在です。竹は弾力性があり優れた材料ですが、裸足で登っていく様はかなり原始的です。(ミャンマー)
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ここまで足場を組ませるのは大変です。日本では安衛則が改正され中桟(middle rail)や幅木(toeboard)の取り付けが義務化されましたが、OSHAでは細かく規定されていて後追いをしているようです。発電所や化学プラントの建設現場では当該国の基準ではなくOSHAを採用するところが多く、写真のようにインドネシアの片田舎でも中桟、幅木の取り付けを義務付けられ、普段は竹製の足場を組んでいる足場工(scaffolder)でもなんとか組むことができます。
日本では「足場の組立等作業主任者」が選任され現場で指導していますが、インドネシアでは国家資格であるscaffolding Inspectorがいて、組立て後の検査を行っています。検査合格の場合は緑色タグ、不合格の場合は赤色タグを取り付け使用禁止にします。
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Scaffollding Inspectorもいい加減なことをすると首になるので、結構真剣にやっています。しかし、肝心の足場計画がしっかりしていないと後追いの管理でしかありません。エンジニアがしっかりと安全も含めた計画を立てなければなりません。ここに問題の本質があるようです。
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