2010年3月31日水曜日

労働安全衛生コンサルタントの合格発表

3月24日に、労働安全衛生コンサルタント試験の合格者が発表されました。

合格された方々は、毎日の勉強と安全衛生の指導が、合格に結びついたとものと思います。

次は登録手続きがあります。
労働安全コンサルタントは、技術士と同様に登録しないとコンサルタントの名称を使用することはできません。
まず最初に、日本労働安全衛生コンサルタント会のホームページの「労働安全衛生コンサルタントの登録」の項目に従って登録手続きを行ってください。ただし、企業に勤めている人は、企業内コンサルタントになります。事務所の場所は会社の所在地、事務所名は会社名にするか、または自宅を事務所にすればよいです。現在コンサルタントの多くが企業内コンサルタントなので特に問題ありません。
企業にいながら更に勉強して独立するのも一つの方法です。

日本労働安全衛生コンサルタント会への入会は、弁護士や医師のように義務づけられていません。だけど入会することを勧めます。
コンサルタント登録と日本労働安全衛生コンサルタント会への入会は、まったく別の手続きです。入会する場合は、新たにコンサルタント会へ入会手続きをしなければなりません。
労働安全コンサルタントは名刺に資格名称を印刷するだけでは何の意味もありません。医師と同じように労働者の命を預かるエンジニアです。日本労働安全衛生コンサルタント会へ入会し経験を積むとともに自己研鑽し、コンサルタントの社会的地位を高める必要があります。また、退職後独立するのであれば今のうちから入会しておいたほうが得策です。

特に地方では組織が小さいのでいろんなことに参加する機会が多く、他業種の安全衛生担当者と交流することができたいへん有益です。少々会費は高いですが、自分への投資と思って入会することをお勧めします。

入会したら、登録時研修を必ず受けてください。それと大阪と東京で開催される安全研修は業務にも有益です。労働安全コンサルタントも国際に認証されうる資格を目指してCPDを行っています。規定CPD単位を修得するとCSP労働安全コンサルタント(Certified Safety Professional Consultant)の称号が与えられます。これはアメリカなどの資格を意識したものです。

わたしは、アメリカの安全技術者協会(American Society of Safety Engineer)にも入会しました。色んな文化の安全衛生の考え方に接すると、今まで行っていたことが単なる基準屋に過ぎなかったことを感じます。型にはまった安全管理ばかりでなく、異業種の人と交流すると自らの業務の改善にも役立ちます。

試験の合格は、セーフティー・エンジニアーとして出発点にたったに過ぎません。
今回の合格者のこれからの発展と活躍を応援します。

2010年3月24日水曜日

テネリフェの悲劇

テネリフェの大惨事とは、ヒューマンファクターが連続して同時に現れ、その連鎖を最後まで断ち切ることができず、航空機のクルーたちの心理状態が悪化していって航空機史上最悪の大惨事となったものです。ヒューマンファクターの研修で必ず取り上げられる内容です。

「機長の真実 〜墜落の責任はどこにあるのか〜」(著者:デービッド・ビーティ、訳者:小西 進)でヒューマンファクターについて詳しく説明されています。
以下に内容を抜粋します。

  1977年3月27日、スペイン領グラン・カナリア島、ラス・パルマス空港乗客ターミナルで爆弾が爆発した。二つ目の爆破予告も受けていた。空港は直ちに閉鎖されたため、このとき、ラス・パルマスに向かっていたる航空機のなかにロサンゼルスからのパンアメリカン航空1736便とアムステルダムからのKLMオランダ航空4805便のボーイング747型機がいた。

  KLM4805便は13時38分、テネリフェの滑走路に着陸したが、空港は臨時着陸の飛行機でいっぱいになりはじめていた。天候は良好だった。その37分後にパンナム機が着陸したが、エプロンはすでにふさがっており、何機かは誘導路上に駐機していた。KLM4805便は滑走路の先端付近に駐機しており、その後ろにボーイング737、727、C8がいた。パンナム機はその後ろに駐機した。
すでにフラストレーションと疲労が重なっていた。時間に迫られ、早く出発したいという願いから、KLM機長は最初、乗客を機内にとどめていたが、その後乗客を降ろした。パンナム機長のほうは乗客を機内にとどめたままだった。

  ラス・パルマス空港が再開され、管制機関がパンナム機に出発許可を出したとき、クルーは滑走路に向かう通り道が、KLMジャンボ機にふさがれているのに気がついた。それ以上時間を無駄にしたくないので、副操縦士と航空機関士が飛行機を降り、KLMジャンボ機と他の飛行機の間隔距離を測りに行ったが、安全にすり抜けるのは無理だと認めざる得なかった。

  KLM機の乗客がターミナルからバスで戻りはじめたが時間がかかり、1時間後、KLM機が管制塔を呼び出し、出発予定時刻の確認と燃料を追加した。ラス・パルマス空港で燃料補給をせず、アムステルダムに折り返す時間を節約しようとした。

  KLM機はようやくエンジン始動の許可を取り、そして滑走路へ移動を開始した。やっと動きがとれるようになり、パンナム機もあとにつづいた。天候は悪化し、深い霧に覆われた。KLM機は滑走路を逆走する許可を求め、管制官もそれを認め、三つ目の誘導路で滑走路を開けるように指示した。副操縦士は聞き間違えて「最初の誘導路」と復唱してしまったが、管制官が指示を変更した。KLM機は滑走路を先端まで逆走し、先端で、180度旋回して機種を離陸方向に向けることになった。副操縦士は管制指示を復唱したが、機長は視界が悪く地上移動に集中するあまり、無線のやりとりはほとんど聞いていなかった。

  一方、パンナム機も同じ滑走路を逆走し、三つ目の誘導路で滑走路を出るように指示を受けていた。両機とも管制官の強烈なスペイン語なまりの英語の指示に手こずっていた。パンナム機は霧と疲れから3番目の誘導路を行き過ぎてしまった。

  KLM機は首席教官である機長と95時間しか飛行経験がない副操縦士の組み合わせであり、副操縦士は機長に対しものを申す環境ではなかった。機長が180度旋回の操作を完了したとき、副操縦士は航空路管制承認を取ろうとしているところであった。それにもかかわらず、機長はスロットルを開きはじめた。副操縦士がちょっと待つように機長に言ったが早く飛び立つことに気持ちが集中していた。依然視界が不良でパンナム機が見えない。副操縦士が管制承認を復唱途中で、機長は離陸を開始した。

  管制官が、「オーケー...(1秒間の沈黙)...離陸は待機されたい。後ほど指示する」と指示したが、その沈黙の瞬間、パンナム機が自分の所在を明らかにしようと割って入った。しかし、無線は混信してキーという雑音となってしまった。
管制官がパンナム機に「滑走路を明け渡したとき通報するように」というやり取りをしているのをKLM機の航空機関士が聞いて機長に疑問を投げかけたが、機長の思い込みに打ち消されてしまった。

  その後、KLM機は離陸決定速度に達し離陸したが、目の前に現れたパンナム機の後部胴体の上を滑って破壊し、150M先に落ち、爆発炎上した。KLM機は248名全員が死亡し、パンナム機は335名が死亡した。

  その後の調査で事故原因はヒューマンファクターに絞り込まれた。そのうち特定されたものは、疲労、重責、強迫観念、フラストレーション、時間の制約、操縦室内での権威、乗客を喜ばせたいという願望などがあげられた。
時間的予測ができないという要因、事態の展開が不確実という要因が加わり、そしてその他複数のヒューマンファクターが複合的に絡み合い、そのエラーチェーンを断ち切ることができなかったことが悲劇につながった。

  ヒューマンファクターを本人の問題で片付けては何の解決にもならない。エラーチェーンを断ち切るための設備や業務要領の改善が必要になるでしょう。

2010年3月17日水曜日

技術者の自己研鑽

先週、技術士会主催のCPDに関するセミナーがあった。

CPDを如何に発展し有効あるものにするかと、いわゆる「実質化」がテーマであった。現状はどうかというと、国土交通省の技術評価制度への加点のためのCPDポイント獲得という流れと、技術者が本来の自己研鑽のために行うCPDとがあり、前者は技術レベルは非常に低いが多くの参加者がいる。しかし、後者の技術者本来の自己研鑽は技術レベルが高いが参加者がまだかなり低い。資格を取得した以後、何もしていない一般の技術者がほとんどを占めると思われます。

なぜそうなるのか。
まずあげられるのが、日本の資格は永久資格で更新の必要がないものが多いことです。このことが欧米から同等資格としてお互いに承認できない原因になっています。
そこで日本技術士会や日本労働安全衛生コンサルタント会は、継続研鑽(CPD)制度を導入しているわけですが、更新制というハードルがないために、多くの技術者が理解を示さないのが現状です。言い換えれば国土交通省の総合評価の対象者でなく、資格の更新制度がなければ、何も苦労して自腹を切ってまで講習会などいく必要がないということです。CPDを行わなくても実害がないと思うのが本音でしょう。

今、技術者の技術力の低下が懸念されています。今後国内の社会基盤整備のための投資がさらに減少し、技術者の活躍の場が狭くなってきます。質の高い技術者しか残っていけなくなります。また海外に出て業務をする機会も増えてきますが、技術者として胸を張って出て行けるでしょうか。

今の現状の技術力では、欧米の技術者と対等に勝負できません。

この現状を打破するには、技術士や労働安全衛生コンサルタントの資格登録の更新制へ移行し、再登録審査にCPDを活用し、実質的に技術者の室を高めることです。そのためには組織を充実させる必要があり、弁護士や医師制度のように、全員が協会に所属し、社会の認知を高める必要があります。そして米国のPEやSafety Engineer協会、英国のCEなどと連携を図り、全世界で認められる資格にするべきです。

技術者が技術の勉強を行わなくなったら、もう技術者ではありません。

2010年3月10日水曜日

感染症の脅威

世界経済がグローバル化し、人と物が瞬時に行き交うようになると、人類に影響を及ぼす感染症が瞬く間に世界中に広がる危険性があります。

したがって、アフリカの遠い国で流行している出来事と傍観していると、いつの間にか我々の足元に迫ってくるかもししれません。
そのなかでもウイルスの脅威は深刻で、まだ治療法が確立していないものもあります。

代表的なものは、
1.エボラ出血熱 :フィロウイルス科エボラウイルスによる感染症。自然宿主は不明で、ザイール、スーダンで流行し、致死率は50〜89%

2.マールブルグ病 :同じくフィロウイルス科のマールブルグウイルスによる感染症。アンゴラ、コンゴ、ケニア、ジンバブエで流行。

3.ラッサ熱 :アレナウイルス科ラッサウイルスによる感染症。西アフリカに生息するマストミスが自然宿主で、西アフリカで流行している。潜伏期間は5〜21日で致死率は感染者の1-2%。

4.クリミア・コンゴ出血熱 :ブニヤウイルス科ナイロウイルス属に属するクリミア・コンゴウイルスによる感染症。
これらは厚生労働省の第1類感染症に分類されており、対処療法以外に今のところ治療法が確立されていません。

そのほかにも依然恐ろしい感染症があります。
5.狂犬病 :ラブドウイルスによる感染症で、多くの哺乳動物が自然宿主になっています。依然、世界中に広がっていて、動物に咬まれ発症した場合、致死率は100%といわれています。世界で年間5万5千人の人が死亡しています。しかし、咬まれた直後にワクチンを投与すると回復する可能性が高くなります。
東南アジアで野犬を多く見かけますが、絶対に近寄ってはいけません。

6.インフルエザ:インフルエンザウイルスはカモからいろんな動物に媒介されたといわれており、カモの体内には全ての型のウイルスが発見されています。インフルエンザは風邪と似た症状ですが、新たな新型インフルエンザウイルスが出現し、突然重篤な症状を示し、人類にとって危険なウイルスです。
今回のインフルエンザウイルスA/H1N1/Pandemic2009は、感染力は強いですが病原性が季節性インフルエンザと同程度であったため、人類に取って深刻な問題にまで発展しいと思われがちです。

今一番危惧されているのが、高病原性の鳥のインフルエンザウイルスの変異による人から人への感染です。
鳥にしか発症しなかったインフルエンザウイルスが変異して人へ感染する過程は次のように考えられています。
インフルエンザウイルスを腸管内に保有したカモが中国南部に飛来し、そこでウイルスを含んだ糞を排泄します。
   ↓↓↓
豚は、鳥のインフルエンザウイルスと人のインフルエンザウイルスの両方に感染します。
インフルエンザウイルスは8本のRNAを持っており、同じ豚の体内に2種類のインフルエンザウイルスが感染することになり、これら2つのウィルス間でRNAの組換えが起こり、人に容易に感染する新しいタイプのウイルスが誕生します。
   ↓↓↓
新型のインフルエンザウイルスが人へ感染します。これまでに以下のヒトの鳥インフルエンザ感染事例が確認されており、次の段階のヒトからヒトの感染が危惧されています。

私も先週、インフルエンザウイルスA/H1N1/Pandemic2009のワクチンを接種しました。まだ遅くはありません。少しでも基礎免疫を高める方が良いと思われます。

2010年3月3日水曜日

リスクアセスメントとKYの違い

建災防はKY(危険予知)活動にリスクアセスメントの手法を取り入れています。

では、KYはリスクアセスメントの一種などでしょうか。
どちらも事前に危険を洗い出して対策をとろうとする安全活動です。そのなかで、リスクアセスメントは労働安全衛生法で事業者が実施することと定められていますが、KYは労働安全衛生法に定められてなく、あくまで自主的な活動です。

リスクアセスメントの目的は、工事着手前にある程度時間をかけて危険性及び有害性を徹底的に洗い出してリスク低減対策を作業手順に反映させることです。それに対してKYは今からすぐ始まる作業や行動途中にその作業の中でどんな危険があるか特に重要なものを取り上げ直ぐに対策を立て実行することにあります。したがって、リスクアセスメントのように徹底的に危険性及び有害性を洗い出して対策を立てる時間的余裕はありません。どちらも重要な活動ですがリスクアセスメントとは手法が別物と考えるべきです。

KYはJAFの雑誌に毎回取り上げられています。たとえば自動車を運転している途中で信号にさしかかり歩行者がヨロヨロと歩いている。それに対して車道に飛び出すかもしれないから徐行しよう、今日は長距離を走るので眠くなるかもしれないので、早めに休憩を取るようにしよう、差し迫った危険性を考えるもので、リスクアセスメントのようにあれやこれや洗い出してリスクの見積もりをしている時間はありません。経験的にこの作業ではこういう危険があるということが判らなければなりません。その手助けとなるものがリスク評価表です。KYで危険性を発表するときに、前もってこの作業のために行ったリスクアセスメントを利用すべきです。せっかくリスクアセスメントを行っていてもKYや作業打ち合わせに利用されていないのが現状です。

KYにリスクアセスメントの見積もり手法を導入するのは良いと思いますが、逆にリスクアセスメントをKYのように簡単に終わらせては行けません。いろんな人の経験より危険性と有害性を徹底的に洗い出すことが最も重要です。リスクの見積もりは最も重要な要素ではありません。メンバー全体の経験レベルの違いにより見積もりも大きく変わります。ただし、見積もりは時間が解決することですが、洗い出しを十分行っていないと見積もりの意味がなくなってしまいます。

リスクアセスメントの普及はまだこれからです。

2010年2月28日日曜日

チリ地震による津波

昨日、チリ中部コンセプシオンの北東90kmでマグニチュード8.8の地震が発生し、首都サンチアゴでも甚大な被害が発生しました。

この地震に伴い津波が発生し、ハワイにある米国太平洋津波情報センターは太平洋沿岸一帯に津波警報を出しました。
気象庁も青森、岩手、宮城の太平洋沿岸に大津波警報、それ以外の太平洋沿岸に津波警報、津波注意報を発令しました。そして15時に岩手県久慈港で1.2mの津波を観測しましたが、事前に避難勧告などが出されていたため、人的被害はまだ報道されていません。

50年前の1960年のチリ地震では東北の太平洋沿岸に甚大な被害が出ました。しかし、50年前と今回とでは状況が大きく違います。それは情報量の差です。地震と津波の解析が進んで瞬時に各国に伝わることと、インターネットの普及により個人ベースで情報がリアルタイムに伝わることです。今回も地震発生からTwitterで世界各地からリアルタイムに伝わってきます。日本の公的機関の発表は常に遅れがちですが、現地の生の情報がTwitterならどんどん入ってきます。欧米の公的機関は最近、Twitterを情報提供の手段として積極的に利用していますが、日本は情報のスピードからいってもとにかく遅れています。結果、警報を安全側に出す傾向にあります。

国内は幸い人的被害が少なく済みましたが、チリは依然大変な状況にあると思います。政府の初動はいつも遅いですが、とにかく一日でも早く人と物資を派遣して災害復旧の支援をしてもらいたいものです。派遣する人も自衛隊を主体に、民間の建設会社社員や病院の医師、看護士なども加えた混成部隊にすべきと考えます。地方の技術士会では県と災害支援協定を結び災害時には県の活動に協力する体制がとられていましたが、その国際版を創成してはどうかと考えます。

2010年2月24日水曜日

モーメントリミッターの謎

最近、移動式クレーンや杭打杭抜機の転倒事故が多発しています。
一昨日も、長野県駒ヶ根市にある県立病院立替工事で移動式クレーンが前方に転倒し1人死亡、3人重軽傷の災害が発生しています。
移動式クレーン転倒の原因は、定格荷重を超えた過負荷の状態になるか、地耐力がアウトリガーの接地圧に対して過小又は埋設菅を突き破ったりして機体のバランスを崩す、急旋回や埋設物を引き抜くなどしてなど反動が加わり転倒するなどが考えられます。
移動式クレーンには安全装置が装備されており、正しく使えば多くの事故を低減することができます。安全装置には
1)巻過防止装置(オーバーホイスト)
2)過負荷防止装置(モーメントリミット)
3)旋回ロック
4)安全弁
5)フックの外れ止め
などがあります。
このなかで最も転倒防止にかかわる安全装置は、過負荷防止装置です。これは吊上げ実荷重によるモーメント、ブーム自重によるモーメントなどを実際にブームに作用している総合モーメントを検出し、この負荷が記憶されている定格荷重を超えると直ちにブームの伸長、ブーム下げ、ウインチ巻上げなどの危険側への作動が自動停止するほか、または定格荷重を超える前に警報を発するものです。
しかし、過負荷防止装置のスイッチを切って作業するケースが多いようです。元請けから作業限界を超えた指示を強要されたり、オペレーターが定格荷重には多少余裕があるはずだからこのくらいなら大丈夫であろうという安易な気持ちで行う場合があります。その結果が転倒事故になります。長野の事故の正確な原因は分かりませんが、モーメントリミッターが正常に働いていたのかどうか疑問が残るところです。
現場では、過負荷防止装置のスイッチを勝手に切れないように鍵を事務所で預かっておく措置をしていますが、オペレータが機械内部の配線を付け替えたりする悪質な手口も発覚しています。
メーカーはオペレータが過負荷防止装置を切ることができないような移動式クレーンを製造すればいいのですが、いまのところタダノだけしか発売されていません。
また、オペレータが過去に過負荷防止装置を切って無理な作業を行なっていたかどうかも、過負荷防止装置に記憶されており、メーカーのサービスマンに依頼すれば調べることができます。
元請けはオペレータに無理な指示をしてはならないし、オペレータに対し安全指導もしなければならない。そのためには、元請け職員も移動式クレーンの仕組みをよく理解しておく必要があります。

2010年2月20日土曜日

坂東観音霊場第一番札所

鎌倉の二階堂にある杉本寺は、鎌倉最古の寺で天平6年(734年)に行基により建立されたといわれています。
正式名は大蔵山杉本寺で、天台宗の寺院です。御本尊は十一面観音で、坂東三十三箇所観音霊場第一番札所であるとともに鎌倉三十三観音霊場第一番札所でもあります。

由来は、江戸時代中期から末期にかけて観音巡礼が盛んになり、鎌倉を中心に幅広い地域にお寺が点在していましたが、明治維新の廃仏毀釈により一時廃れましたが、大正から昭和の初めに新たに鎌倉三十三観音霊場が設定されました。

昨年の今頃は、四国八十八ヶ所霊場札所のお遍路をしていて、まだ高知あたりのお寺をお参りしていました。杉本寺は観光地化されておらず静かなお寺です。鎌倉観音霊場は鎌倉市内に集まっており、観光地されていない鎌倉を再発見することができ、あわせてお参りすることができるかなと考えています。
長谷寺のように観光バスからオバハンたちがぞろぞろ歩く光景を見ることはありません。
さすがに階段も古そうで苔むしていて通行禁止になっていました。
本堂は茅葺きでなかなか趣があります。 以上、杉本寺

   四国お遍路、最御崎寺にて 2008年2月
昨年の今頃はまだ、阿波の薬王寺から土佐室戸岬の第二十四番札所最御崎寺をお参りしていました。

2010年2月17日水曜日

受動喫煙防止の法制化

いよいよ受動喫煙による健康被害を防止するための法制強化が進められようとしています。

欧州ではすでに公共の場所での喫煙は全面的に禁止されています。いくらパブといえど一切喫煙ができませんが、まだ日本では健康増進法があるものの単なる努力義務のみで強制力がなく、分煙さえ進んでいないのが実情です。

やっと厚生労働省が重い腰を上げ、職場の禁煙のための労働安全衛生法改正案を来年の通常国会に出す方針であることが明らかになりました。

しかし、日本では建物全体を禁煙にするところが少なく、喫煙室を設けて分煙にする譲歩案が濃厚で、空気調和設備を別系統にしないと汚染した空気が漏れることにもなりかねません。また、飲食店や宿泊施設で分煙にした場合は、従業員の受動喫煙によるリスクが残ります。せっかく労働安全衛生法を改正するのであれば、全面禁煙にしないと労働者の健康を守ることになりません。

建物内での喫煙禁止と同時に、路上喫煙禁止を強化しないと歩きながらの喫煙や側溝の「吸い殻入れ化」が進みます。側溝に捨てられた吸い殻は一旦川に流れ、そして海に流れて海洋生物の生存に大きな影響を与えます。先日も湘南海岸で行われた海岸清掃で、吸い殻があまりにも多いのに驚きました。吸い殻のほとんどが海岸で吸った人の吸い殻ではなく、都市の側溝から流れ出た吸い殻ということでした。

プラットホームの全面禁煙化も必要で、どうしても乗車したい位置に喫煙場所があると煙草の煙を避けることができません。「煙草を吸う権利」を主張する人がいますが、多くの人に迷惑がかかるのを無視して自分の欲望を満たそうとしているのに過ぎません。もうそろその日本の社会も喫煙者に対する寛容さを捨てても良いと思います。

日本もいち早く先進国並みに社会の禁煙化を進めるべきです。

2010年2月10日水曜日

自転車運転者の無知

自転車は道路交通法の区分で軽車両に当たります。しかし、あまりにも法律を無視した運転が多いのと、それを容認してきた実態が交通事故の原因にもなっています。

自転車交通は道路交通法や地方自治体の条例で定められていますが、欧米のようにきちんと運用されていません。

代表的な法令遵守事項(カッコ内は罰則)をあげると
1.自転車は車道の左側を走行する (3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金)
  ただし「自転車通行可」の標識のある歩道及び13歳未満の子ども、70歳以上の高齢者、身体障害者が運転している場合や、交通状況から見てやむ得ない場合だけ通行が認められています。
  したがって、適用外の歩道を走行した場合はこの罰則が適用され、通行可の歩道を走行した場合でも歩行者に迷惑をかけるような通行した場合は、2万円以下の罰金または科料が課せられます。

2.飲酒運転の禁止は自転車にも適用 (5年以下の懲役または100万円以下の罰金(酒酔い運転の場合))
  自転車の飲酒運転では、溝に転落する事故が多いです。私も経験があり、その時めがねを 壊してしまい高い酒代になってしまいました。

3.二人乗り運転の禁止 (2万円以下の罰金または科料)
  ただし、6歳未満の幼児を、幼児用座席に乗せるかひも等で背負った状態で、16歳以上の人が運転する場合は認められています。最近では幼児2人を乗せた3人乗りも車体強度やブレーキ力が十分であれば認められるようになりました。
 しかし、この項目は実態を追認した内容で、本来の安全確保の意味からすれば相反します。

4.夜間の無灯火運転の禁止 (5万円以下の罰金)
  無灯火は非常に多いです。車を運転している時、正面から自転車が現れても急に識別できないことがあり非常に危険です。従来の発電タイプだと体力に負荷がかかり嫌がる人がいます。今ではLEDライトが普及してきたので、負荷がかかりません。ただし盗難には注意した方がよいです。

5.信号無視及び交差点での一時停止違反の禁止 (3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金)
  自転車は歩行者と同じという感覚の人が多く、信号無視は大いに取り締まるべきです。このような違反が当たり前になってしまったのは、大人がきちっとルールを守らないので子どももそれに習う、そしてみんながやっているので何が悪いという開き直りが社会に広がってしまったからです。

日本の都会には自転車専用道路が非常に少ないのも原因の一つです。一方オランダでは自転車で通勤できるぐらい自転車専用道路が発達しています。自転車がこれだけ普及しているので、それなりのルールもあり、当然、自転車は「車両」なので、当然歩道を走ることはできません。「車両通行止」の標識があったら、「自転車を除く」の補助標識がない限り自転車も入ってはいけない。右折する時には右腕を水平に延ばし、左折する時には左手を水平に延ばします。小学校の交通教育では習ったような気がしますが、日本では腕で合図をしている人は見たことありません。

省エネルギー対策として自転車は有効な手段であるため、まず最初に自転車を利用できるような社会資本を整備してもらいたいものです。