2009年7月30日木曜日
海外現場の安全パトロール
2009年7月27日月曜日
労働安全衛生コンサルタントのCPD
知識レベルは労働安全コンサルタントと同様と思われますが、社会的地位がはっきりしています。
しかし日本の労働安全コンサルタントは海外では認められていません。理由は資格が更新制でないこと、英語が喋れないことなどがあります。
労働安全衛生コンサルタントは技術士と同じようにCPD制度があり、更新制の準備が始まったところです。
昨年末、APECエンジニア(技術士)更新のためにCPD実績報告を提出し、更新を認められました。今度は労働安全コンサルタントのCPD登録を出し、先日第一回目のCPD証明書が届きました。
日本の多くの技術者資格は更新制でないため、国際認証されない問題があります。そのためCPD制度を設け自己研鑽を行うことが義務づけられました。CPD制度が定着した時点で技術士や建築士、労働安全コンサルタントも更新制に移行すると考えられます。
中には更新制を取り入れている資格もあり、APECエンジニアやコンクリート診断士がそうです。
ただし、問題もあります。CPDを学協会間で相互承認していますが、組織によって内容やレベルに差があることです。施工管理技師会のCPDSは、社内教育から災害防止団体の教育までかなり内容の低いものまで認めているのに対し、まさか技術士がそのようなCPDで申請する訳にも行きません。主管省庁ごとに主導するCPDは縦割行政の弊害であり、全世界で認められるようなものではなくなります。
なにより、早く資格を更新制に切り替え、諸外国との資格の相互承認をすることにより、日本の技術者の資格の国際的地位を高めることが、これからの国際社会を勝ち抜くには必要不可欠でしょう。そうでないと日本だけが国際社会から取り残されてしまします。
2009年7月24日金曜日
夏山登山の危険性
2009年7月21日火曜日
JR西日本社長の起訴
2009年7月17日金曜日
ナイトクラブのリスクアセスメント
そのなかで、ナイトクラブのリスクアセスメントというのがあります。
"Example risk assessment for a nightclub"
このような例も危険源(hazard)の特定の参考になります。
危険源としては(What are the hazards?)
・火災 :従業員及び客が煙、燃焼、建物の崩壊による重大な災害
・高所からの墜落 :出演者が高いステージから墜落する、掃除、メインテナンス、照明係がはしごなどから転落し怪我をする
・転倒および転落 :従業員及び客が床で滑って転倒する、躓いて転倒する
・感電 :従業員及び客が電気器具の絶縁不良により感電する
・騒音 :従業員が長期間大音響にさらされることにより難聴になる
・暴力 :従業員及び客が喧嘩に巻き込まれ怪我をする
・ガラス片による切創 :従業員及び客は窓ガラスや鏡とぶつかることにより切創する
・ガス :従業員及び関係者はボイラーの爆発などにより中毒する
・高温 :従業員及び客は高温により熱中症になる
・注射針 :従業員は捨てられた注射針に刺さる
・重い物の持ち運び :従業員は重い物を持ち運ぶ際、腰痛になる
・運搬 :従業員は運搬車両に轢かれる
・CO2 :従業員はビール用のボンベよりCO2が漏れることにより酸欠になる
・アスベスト :従業員、特にメンテナンス者は建材に含まれているアスベストに被ばくする
・花火 :花火を使用することによりパニックになる
・レーザー :従業員及び客はレーザーの不適切な使用により目を傷める
・煙幕 :従業員はドライアイスを使用することにより皮膚を傷める。発煙及びミストは目、鼻、気管の病気を起こす
・飛来落下 :ぶら下げている飾りや額などが落下して怪我をする
たかだか、ナイトクラブでも多くの危険源があり、それに対するリスク低減対策を誰が、いつ、どのように行うのかを詳しく述べられています。
資料参照先
http://www.hse.gov.uk/risk/casestudies/pdf/nightclub.pdf
2009年7月13日月曜日
現場において土木技術者はスマートであれ
これは戦前の帝国海軍の伝統である「海軍士官は、スマートであれ」という格言から借用したもので、現場では技術者はスマートであってほしいと願うものです。
このはなしは、司馬遼太郎の「街道をゆく42 三浦半島記」にでてきます。
海軍士官は明治時代にイギリス海軍将校から徹底的に大英帝国の海軍魂を教え込まれました。そのなかで生活習慣として強調されたのが、「5分前の精神」です。海軍では「総員起こし5分前」に始まり「消灯5分前」に終わります。5分前には次の作業に掛かる準備を完了しておくということですが、建設業でも次の作業にかかる前には、その準備を終わらしておくのと同じです。
その場でバタバタせずに、予め周到に準備したことをスマートで淡々と進めることです。きちっと準備をし作業に取り掛かるときは決められた手順に従って紳士のように落ち着いて行動をしなければなりません。
建設業では5S、すなわちSeiri(整理)、Seiton(整頓)、Seiso(清掃)、Seiketu(清潔)、Shitsuke(躾)が基本になっていますが、海軍士官の遵守すべきものとして3S、すなわちSmart(機敏)、Steady(着実)、Silent(静粛)がありました。
この言葉は、千変万化する海上において、すべての行動が予め手順を定め機敏で着実であることが要求されます。そのためには、発令者以外は静粛を保ちサイレントでなければなりません。
今の海上自衛隊では「スマートで目先が利いて几帳面、これぞ船乗り」に変わっています。第一に「スマート」が掲げられたのは、艦上では万事がスマートに行なわなければ事故につながるという帝国海軍の伝統を引き継いでいます。そして、目先が利いて几帳面とは、いつも先のことを考え手順よく事を運べということであり、几帳面が重視されたのはちょっとしたミスや手抜きが、大きな災害につながるからです。海軍でもリスクアセスメントの考え方を取り入れていたことになります。
土木技術者も、工事現場は状況が刻々と変化しますが、常に次の作業のリスクを考え作業手順を定めておき、作業するときにはスマートに作業手順に従って実施することが重要です。たとえ予定外であることが起こってもスマートに対応する。
建設業と海軍は通じるところがあります。
2009年7月10日金曜日
5ステップ・リスクアセスメント
その中でも英国は早くからリスクアセスメントを取り入れ、成果を挙げています。英国でも中小企業や個人企業におけるリスクアセスメントの普及が課題になっていて、そのためHSE(英国労働安全衛生庁)は簡易なリスクアセスメントを導入しています。
「5ステップリスクアセスメント」といわれるもので、HSEがインターネットに掲載しています。
中災防ホームページに和訳リーフレットを掲載
HSEホームページ
http://www.hse.gov.uk/pubns/indg163.pdf
主な特徴は、リスク評価の方法が簡便であることです。
ほとんど同じですが手順は以下の通りです。
ステップ1:どんなハザードがあるか?
ステップ2:誰がどのような危害を受ける可能性があるか?/国内のリスクアセスメントの違いとして、全ての関係者が対象であり、通行人などの一般公衆も明確に対象としていることです。
ステップ3:現在すでに行っていることは何か?、
さらに必要な措置は何か?/「合理的に実施可能な」あらゆる対策を行うときの判断材料として、今まで公表されている優良事例と比較することを提案している。
ステップ4:リスクアセスメントをどう実行に移すか?/実施担当、実施期限、実施完了日
ステップ5:リスクアセスメントの見直し
実施例を見ると、質問形式になっていて可能性や重篤度の数値評価を簡便にして誰でも使いやすくしています。
そして、業種別にリスク低減一覧表を公表していて参考にすることが出来ます。
国内のリスクアセスメントもあまり四角四面に考えず、このような簡便な方法を取り入れることも普及の一つの手段でしょう。
2009年7月7日火曜日
いい加減な始業点検
その典型がワイヤーロープの点検です。
現場にどっぷり浸かって一日中様子をみているといいかげんな現実
HONDAの本田宗一郎さんが実践した「三現主義」(
職員が全て確認していたら体がいくらあっても足りません。事業者を指導するしかないのですが、書類にこだわらずとにかく実際に点検を行ってもらいたいものです。
2009年7月3日金曜日
登山中の飲酒
代表的なのがゴルフです。
英国の長い歴史の中で既得権として認められてきました。ゴルフが18ホールで1ラウンドなのは、ホールごとにスコッチを一杯ずつ飲んで回ってボトルが空になったところが、18ホールだったからという伝説があります。
荒涼としたスコットランドの風景を思い浮かべると分かるような気がします。
そして、登山にもお酒がつきものです。
頂上に上ったときの。山上小屋前のテラスでのむ生ビールは最高です。
でも、その一杯がいつの間にか大宴会になることが多いです。そのために下界からわざわざ重い酒や焼酎を担ぎ上げ宴会の段取りをするのです。
ゴルフも登山も元は紳士のスポーツです。だから節度を守り他人に迷惑をかけない程度しか飲まないのが鉄則です。
大量に飲酒すると人によっては急性アルコール中毒になり、アルコールやその中間代謝物であるアセトアルデヒドが脳細胞の酸素を取り込み、一種の低酸症に陥ります。高所では低地では酔わない人も少しの量で酩酊し、注意力が低下して転倒や転落する危険性が高くなります。
2,000m以上の山では飲酒は紳士がたしなむ程度に抑えるべきと考えます。
大宴会は下山してから駅前で盛大に行いましょう。
2009年7月1日水曜日
海の安全
まず第一に取り上げているのが離岸流です。毎年300人が海水浴中に水難事故に遭い、そのうちの約4割がなくなっているそうです。
次に海上保安庁の「海水浴の大原則」を取り上げています。この大原則は登山でもいえることです。
1.十分な準備運動をする
当たり前だけどやらない人が非常に多いです。山ではストレッチ体操が最適です。
2.飲酒後、絶対に海に入らない
アルコールは注意力や判断力が低下し、不安全行動を制御できなくなります。また、飲酒者は、低体温症候群を起しやすいので、知らぬうちに体の自由が利かなくなります。山小屋でも飲酒による危険性をもう少しアピールすべきです。
3.気象条件に注意する
海では急に天気が急変することがあります。辺りが暗くなって急に風が吹き嵐になり、しばらくして何事もなく穏やかになることがあります。海でもそうですが、山では昔から言われている観天望気が必要ですが、山小屋に衛星放送テレビが完備するようになり、だれも天気図を書かなくなり、観天望気もしなくなりました。
4.浅瀬でも波に気をつける
浅瀬でも急に高い波がくることがあり注意を要します。
5.体温の維持に気をつける
海や山で気をつけなければならないことにハイポサーミア(低体温症候群)があります。これは、長時間水に浸かっていたり、濡れたまま風にさらされていたりすると発症します。体温維持ができなくなると、意識障害、代謝機能障害などに陥り、中・重度になると自力回復は難しく、生命の危険まで招くこともありますので、注意が必要です。つまり、体の震えや唇が紫にあるといった症状は体の危機反応です。
海でも山でも自然の中で活動する場合、同じような注意が必要です。
一部「海守ブログ」の文章を引用させて頂きました。詳しくは、「海守ブログ」を参照してください。
http://blog.canpan.info/umimori/archive/388