2009年1月6日火曜日

ラインストップ

安全管理はやって当たり前、会社の中では空気のような存在かもしれない。

どこの会社でも「安全を全てに優先する」や「安全第一」など会社経営の基本方針として安全を最優先することを掲げています。
しかし、本気で実践する会社は意外と少ないと思われます。

建設工事では、営業が安い金額で無理して受注し、身動きも取れないような狭い現場で工事を進めなくてはならない状況で、現場には管理部門から工期を守り利益を出すことを要求されます。
そうするとどうしても無理をしなければいけない場面が出てきます。そのような場合に非常に不安全な状態にある場合、工程や利益を多少犠牲してでも作業を止めて安全確保を優先することができるかという問題です。

程度の差がありますが、誰が見ても非常に危なく、災害に繋がってもおかしくない場合は作業を一時中断すべきです。建設業も製造業でいうラインストップをできる環境にあるかです。
あるスーパーゼネコンは、会社のトップから末端の職員に至るまで、会社の信用に繋がるような不安全状態は直ぐに作業を止めて是正してから作業を再開するということをはっきりと言えるようになっているそうです。
現実はまだそのレベルに達せず、無理をやらせて災害に至るケースが多いです。

ラインストップという考え方は、トヨタ生産方式のなかで徹底されていることです。異常を発見したら直ぐラインを止めて原因究明し、再発防止対策を行う、品質と安全確保の基本となっています。ちなみに1分間ぐらいの短時間ラインを止めることを「チョコ停」というそうです。

不安全状態で作業を無理してやらせて災害が発生すると、何日も現場が止まり工程が大幅に遅れます。そうなる前に、現場でもラインストップやチョコ停を受入、先取りの改善を行うべきです。

安全管理は今まで空気のような存在であったかもしれませんが、これからは業務改善の最前線として存在感を示すべきです。「安全を全てに優先させる」はラインストップの考え方から実践できると考えます。すなわち安全文化の醸成です。

推薦図書(ブログ右欄) :「トヨタ生産方式と安全管理 −初めて明かされる安全管理活動の真髄」 鈴木 忠男 (労働調査会) を参照してください。

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