2010年8月25日水曜日

溶接棒のMSDS

労働安全衛生マネジメントシステムの外部監査で溶接棒のMSDSの不備を指摘された。

建設業においてMSDSは、化学合成の塗料や溶剤などしか思い浮かばず、溶接棒は頭の中から完全に外れていた。

溶接ヒュームによるじん肺障害は、今まで見過ごされがちであったが、粉じん障害防止規則の一部が改正され、対策が強化されています。
そのなかに、屋内において、金属を溶断し、又はアーク溶接する作業のうち、自動溶断し、又は自動溶接する作業という項目が追加されています。

この項目に該当しなくても、溶接ヒュームは人体に悪影響を与えることに間違いなく、溶接メーカーはMSDSを発行しています。

KOBELCOの製品安全情報シート(MSDS)では
粉じん、金属ヒューム及びガスによる急性毒性、感作性、慢性毒性、発がん性などが記されています。

建設業では野外で作業することが多く、防じんマスク着用の対象とならないケースが多いですが、MSDSを提示してこれらの内容を労働者に周知する必要があります。

我々建設技術者は、今まで溶接作業における有害性を甘く見ていたようです。

2010年8月18日水曜日

自動車アセスメント

高速道路のサービスエリアに「自動車アセスメント」という耳慣れない言葉のリーフレットがあった。

国土交通省と自動車事故対策機構が、安全な自動車がつくられ、消費者に選ばれることを目的に自動車の安全性能についてさまざまな試験を行い評価している。いわば自動車のリスクアセスメントといえる。

試験の内容は
I 衝突安全性能試験
 ・オフセット全面衝突試験
 ・側面衝突試験
 ・後面衝突頚部保護性能試験
II 歩行者頭部保護性能試験
III ブレーキ性能試験
IV 後席シートベルト使用性能評価試験
V 座席ベルトの非着用時警報装置評価試験

以上の試験の評価結果は公表されているが、自動車を購入する際、ディーラーから説明されたことはない。
衝突安全性総合評価は6段階で表され、事故に遭遇した場合に重症になる確率を表している。例えばBMWのMINI COOPERやホンダ
バモスは総合評価3、脳挫傷や大腿骨骨折などになる確率が60〜70%、ほとんどの自動車は総合評価5〜6で確率が50%以下になる。ただし、試験の条件がフルラップ全面衝突試験の場合、時速55kmであり、安全を確保するのであればもう少し厳しくした方が良いと思われる。

自動車のリスクアセスメントとしてある程度の評価はできるが、残留リスクのリスク低減対策が、まだ運転者の安全運転に委ねられ、メーカーの努力義務が明確でないところが問題である。

評価報告書の最後に、普及が望まれる安全装置の一覧が示されている。
 ・横滑り防止装置(ESC)
 ・衝突被害軽減ブレーキ
 ・車線維持支援装置
 ・全車速ACC(車速及び車間距離を自動制御)

交通事故による死傷者を減少させるには、道路交通法を強化するばかりでなく、自動車そのものをさらに安全なものにする法制化も必要であろう。

2010年8月11日水曜日

iPODナノの不具合

私も通勤でiPODナノを愛用し、毎日Podcastを聞いている。小さなボディながら数多くの機能が詰まっているのには驚く。iPodcastはテレビニュースを放映後、インターネット上で公開するもので、時間のずれはあるものの海外のニュースは録画したものを翌日見るような感覚で見ることができる。

このようなすばらしい機能があるのだが、肝心の安全性に若干問題があることが、マスコミで報じられている。
iPodナノの初代モデルが充電中に加熱・焼損する問題である。一部でケガ人が出ているようだが、経済産業省製品安全課はメーカーに対し報告を求めただけでリコールなどの行政手続きを行っていない。相変わらず遅い対応で、アメリカにおけるトヨタ車のリコール問題の時と違って、日本では役所の対応が常に後手に回るようである。

また、アップル社も経済産業省の自主的なリコールの求めに全く応じる姿勢を示していない。
何か変なのである。問題があるのならなぜ強く行政処分を行わないのか、メーカーもなぜ部品交換を行おうとしないのか。お互いに責任の所在を回避するための時間稼ぎをしているしか考えられない。

私が使用しているiPodナノは最新モデルなので、今のところ充電中の不具合は発生していないが、夜中充電中に火事になるようなことはあまり想像したくない。

2010年8月4日水曜日

熱中症がなぜ日本で多いのか

今年は、梅雨が明けてから熱中症が急増している。

タイやインドネシア、ベトナムのような暑い国でも熱中症の危険性があるのだが、日本のように大騒ぎになることはない。
なぜ、日本は熱中症が多いのだろうか。

暑さの対策に対して無頓着なのではないだろうか。
日本は物が豊富で好きな物を好きなだけ飲み食いし、事務所や家はエアコンが完備しているところで夜遅くまでどんちゃん騒ぎをする。
一方東南アジアの諸国では、農村部では食べる物も質素で、エアコンなどあまりなく、自然の風で涼をとっている。暑さに対する耐性が自然と備わっている。そして昼休みはゆっくり昼寝をする。

東南アジアの現場では、現場にウォーターステーションを設置して冷たい水を誰もがいつでも飲めるように工夫していか、各自が常に水筒を携帯するようにしている。

熱中症の対策には以下のものがある。
1.睡眠を十分にとり、十分休養をとる。
2.必ず朝食を採るなどして、栄養をとる。
3. 水分を補給する。できれば体液に近い成分であるスポーツドリンクなどをこまめに接種する。
4.気分が悪くなったら早めに休憩をとる。

日本で熱中症がこれほど多く発生するのは、日本人の健康状態が悪化しているのが原因の一つにあげられないだろうか。すなわち精神的な弱さ、成人病、肥満などである。
熱中症にかかりやすい要因として以下のことがいわれている。
1.体力の弱い者(新規入場者や新入社員)
2.肥満の者
3.体調不良者
4.暑熱馴化のできていない(暑さになれていない)者
5.風邪など発熱している者.
6.怪我や故障している者
7.暑熱障害になったことがある者
8.鬱発症脆弱性のある人

学生時代に新人が錬成訓練で熱中症にかかり病院に運び込まれた。命は助かったのだが、その後肝臓に障害が残り不自由な生活をしている。
熱中症は業務上疾病であり、労働災害(事故)ではないが、命に関わる問題であり馬鹿にしてはいけない。