2010年1月27日水曜日

温暖化の影響

地球温暖化の防止が叫ばれていますが、人類が増加し、生活を維持させるために経済を拡大させる上で、地球温暖化は完全に止めることができません。むしろ地球温暖化を最低限に食い止めて、いくらか地球温暖化を許容していくしかありません。
文部科学省と気象庁、環境省がまとめた資料(2009年10月9日発表)によると、この100年で1.1度上昇した日本の平均気温は、今世紀末までの100年間で4.0〜2.1度上昇し、高緯度ほどその影響が大きく、世界平均より0.6〜0.3度も上昇幅が大きい。今世紀末に気温が3.2度上昇した場合、洪水や土砂災害、ブナ林や砂浜の喪失、熱中症などによる日本の被害額は年間約17兆円増えると試算しています。
温暖化によって良くなる面もあります。たとえば北極海の石油資源開発、いままで流氷や海氷に阻まれて開発できなかったノルウェー沖やロシア沿岸は新たな石油の採掘が可能になります。またシベリアやカナダにおける農業生産が更に北へ拡大します。北極海航路が年中通行可能になり極東アジアから欧州への物資輸送が短縮できコストも安くなります。
逆に悪影響を及ぼす内容はその何倍も多いです。場所によっては砂漠化が拡大し、一方では洪水による自然災害が増え、食糧生産が減少します。食料不足の深刻さが増し熱帯性の病気が広がり、健康被害が増大します。北極海及び南極大陸の氷塊が解けて海水面が上昇し、高緯度地方では永久凍土層が融解して、多くの土地が水没します。中には水没してしまう国も現れます。日本は食料を輸入に頼っているのでまず食料不足に陥るでしょう。
温暖化によって逆に富む地域ができる反面、貧しくなる地域が多くなります。貧富の格差が更に広がります。貧しい国は益々貧しくなり、環境対策に費用をかける余裕がなくなります。
全世界が共通に温暖化防止に協力しようとしないのは、富の重心が移動し利害関係が生じるためかもしれません。これはある程度仕方のないことで、先進国が発展途上国をカバーするしかありません。

2010年1月23日土曜日

一年の登山の安全を祈願、高尾山薬王院

一年の登山の安全祈願に高尾山薬王院にお参りに行きました。1月は工事安全祈願や家内安全、商売繁盛、大願成就などいろんな願いを込めて祈願に寺院や神社にお参りに行きます。今年は既に奈良・長谷寺、奈良・春日大社、鎌倉・鶴岡八幡宮、横浜・熊野神社、新宿・熊野神社などに祈願をしています。
登山口は石の錫杖が建っています。高尾山は真言宗智山派の大本山であるとともに、密教の行場でもあります。 
道端の菩薩たちも新しい赤い帽子を着せてもらっていました。
薬王院はいつも大勢の人でにぎわっています。
本堂の左右には天狗が建っているのですが、冬の装いで笠をかぶっていました。
お寺ですが注連縄を飾ってありました。神仏習合の名残だと思います。
南無飯縄大権現

2010年1月21日木曜日

クレーンワイヤーロープの終端処理方法



 東南アジア諸国の建設機械のほとんどが日本製や韓国製の中古であり、かなり老朽化しているものを使い続けています。機械の現場持ち込み時、セーフティ・スタッフによる検査を行っていることが多いようですが、セーフティ・スタッフは機械に熟知していないため、見落としが多いです。移動式クレーンには、荷重計やモーメントリミッターがないものまであります。

 補助フックのワイヤーロープの終端処理は、日本の中古車が多いためか、日本のクレーン構造規格に準拠したものが多いですが、この規格はASME(米国機械協会)を代表とする国際標準とは異なっているので注意が必要です。

クレーン構造規格第22条ではコッタ止めの場合は下記のようにしなければならないとされています。ワイヤーロープの終端処理を玉掛ワイヤーロープのクリップ止めの考え方を適用しています。

しかし、ASME B30.26-2004 (Rigging hardware) では、日本のクレーン構造規格のような方法は間違った方法であると示しています。理由は、ウェッジソケットを通したワイヤーロープはクサビに力がかかることによってワイヤーロープが抜けない工になっている。ワイヤーロープの端部側には荷重がかからず、クレーン本体に繋がっているワーヤーロープのみに荷重がかかる。ワイヤーロープは荷重がかかると絞られて細くなりクリップが緩む可能性があること、そして荷重のかかっているワイヤーロープをクリップで固縛すると応力的に弱点になることなどから、ASMEでは荷重のかかるワイヤーロープとワイヤーロープの端部をクリップで止めてはいけないとしています。

考え方の違いであり、どちらもおかしくない内容だと考えますが、それぞれの地域で採用する基準に従えばよいと思います。むしろ、ワイヤーロープの消耗度を確認する方が重要でしょう。中古機械の場合は、クレーンのワイヤーロープがかなり磨り減っていることが多いです。

2010年1月17日日曜日

1.17から15年

阪神淡路大震災から15年過ぎました。

  現在、あのときの経験は活かされているのでしょうか。構造物の耐震設計は見直されましたが、古い建物は依然阪神淡路大震災クラスの地震に未対応のものが多いようです。そのなかでも、避難場所に指定されている学校の耐震補強は依然進んでいません。

  阪神淡路大震災は直下型の地震で激しい縦揺れを引き起こしましたが、今後予想される南海・東南海地震や東海地震は海溝近辺では発生する地震で、地震の揺れによる被害とともに津波の被害も予想されます。太平洋岸では最低でも6m以上、高知県須崎港では12mの津波が押し寄せ、スマトラ島インド洋大津波並みの被害も想定されています。しかし、津波を防ぐ防波堤を作るとなると、万里の長城のようなものを作る必要があり、不可能に近い状況です。東海地区は東海道新幹線や東名高速道路が寸断され、トヨタやスズキ、ヤマハの工場が操業停止になるだけでなく、東西の物流が分断され日本経済そのものがマヒしてしまいます。

  地震に対して少しでも被害を少なくする対策「減災」が必要ですが、災害になった後、いち早く復旧するための対策も必要です。そのためには広域防災基地を設けて即応体制を設ける必要があります。道路が寸断されることを考えると、空と海から対応する体制を整えるのが最も効果的です。関西三空港のあり方が議論されていますが、国内線の主要路線を関西空港に集約し、伊丹空港は小型機による羽田及び福岡シャトル便を維持しつつ、東アジアの防災拠点空港として整備することを提案します。伊丹空港には防災支援センターを設け、普段から各組織の教育訓練を行い、救援物資・食料・生活支援設備の備蓄倉庫、救急救命センターを設けます。災害時には防災支援センターに指揮所を設け、伊丹空港から高知・和歌山・三重沿岸ほか全国の被災地にすばやくヘリコプターを飛ばして救援にあたります。ケガ人は防災センター内の病院に収容します。また、海上からの支援に際しては、ヘリコプター搭載空母をさらに増備し、被災地での活動基地とする必要があります。
これらの防災基地は、日本のみならずインドネシアや南太平洋で災害が発生したときでも即応体制が取れるように活用すべきです。今回のハイチの地震では、日本の初動が遅いと批判されていますが、このような基地と初動体制を整えていれば国際貢献できたはずです。

  予算を削減することは財政を健全化するために重要なことです。しかし、常に自然災害に見舞われる日本にとって、防災対策にある程度予算をとって対応しないと、日本経済が立ち直れない状況に陥る可能性もあります。目先の政権維持を考えるのではなく、未来の日本のためにきっちりと対策をとってもらいたいものです。

関連ホームページ
http://tomstar-korpokkur.blogspot.com/2010/01/hanshinawaji-disaster-in-1995.html

2010年1月12日火曜日

駅プラットホームのリスク

駅のプラットホームには転落防止策がなく転落の危険性が非常に高いですが、現実には転落防止策の設置している駅はごく僅かです。
その結果、酔っぱらって線路に転落したり、突き飛ばされて転落したり、プラットホームを歩行していて電車に接触するなどの災害が絶えません。リスクアセスメントを実施すれば、これほど災害の可能性と危険の重篤度の高いものはありません。しかし、転落防止策はなく、「白線まで下がってください」と構内放送流されるだけです。
なぜ、転落防止策が設置されないのか。
一つには、駅のプラットホームは明らかに危険であることをほとんどの人が理解しているとされているからです。道路の交差点は目の前を車が高速で通過しますが柵はありません。危険性が明確なことと、柵を設けることが費用がかかり過ぎて運用上も現実的でないことです。いわゆる受容可能な危険です。
受容可能な危険は社会の環境や時代によって変化します。以前は受容可能であったものが、人々の価値観の変化により受容可能な範囲も変化します。
現在は、列車本数が増え、ワンマン運転により監視の目が低くなることや、身体障害者にも配慮する必要があります。目の不自由な人にとって点字タイルだけでは十分でありません。また、プラットホームに傾斜があると車椅子の人が転がり落ちて電車にひかれる危険性があります。都会の列車本数の多い駅のプラットホームは受容できない危険になりつつあります。やはり鉄道会社には安全配慮義務が生じると考えるべきです。
プラットホームからの転落に対するリスク低減策としては
(1)プラットホームの転落防止柵の設置
(2)プラットホーム下の待避スペースの確保
(3)非常停止押しボタン又は転落検知マットの整備
(4)旅客に対する注意喚起の徹底等
(5)警備員の増員
などがあります。

東急池上線旗の台駅の転落防止策

東急目黒線元住吉駅の転落防止策
やればできるんですね。


対策をしていないところでは、このような人身事故が後を絶たない。

2010年1月7日木曜日

ディーセントワークと安全文化

「安全文化」という言葉が良く使われるようになりました。

「安全文化」は、チェルノブイリ原子力発電所の事故に対して1986年国際原子力機関IAEAが行なった報告書の中で提唱されています。
それには、「安全文化とは個人の態度を表すものであると同時に、組織的なもの、すなわち機関と個人の双方を含めて、安全問題に関し適切に対処することを求めるもの」であるとしています。

一方、ILOの「労働安全衛生マネジメントシステムに関するマネジメントシステム」ILO-OHS2001において、冒頭挨拶でJuan Somavia事務局長が「労働安全衛生マネジメントシステムが、企業の内外に持続可能な安全文化を構築する際に、またとない強力な手段を提供するものである」述べられています。
Consequently, the Guidelines provide a unique and powerful instrument for the development of a sustainable safety culture within enterprises and beyond.

このなかでさらに重要な言葉が使われています。それは「ディーセントワーク」です。
「ディーセントワーク」は、日本語に適当な訳がなく、ILOの本来の目的は、男女が、自由で、公平で、安全で、人間の尊厳を保つ条件のもとに、良質で生産的な仕事に就く機会を増進することであり、このことをディーセントワークと名付けたとしています。さらに、ディーセントワークは、安全な仕事であり、安全な仕事は、同時に、生産性と経済成長を積極的に促進する要素であるとしています。
Decent work is safe work. And safe work is also a positive factor for productivity and economic growth.

安全目標とそれに対する具体的施策に「安全文化の醸成」という言葉を使うことがありますが、いきなり安全文化を醸成することはできません。まずは、会社のトップがスローガンばかり言いまくるのではなく、自らが率先して地道に安全を全てに優先することを実践することが必要です。「安全文化」を築くには労働安全衛生マネジメントシステムを形だけでなく地道に内容を伴って行っていくことにより、達成できるといえます。

2010年1月3日日曜日

恒例の長谷寺参拝

今年も初詣に奈良県桜井市にある長谷寺に参りました。長谷寺は真言宗豊山派総本山の寺で、西国三十三箇所観音霊場の第八番札所でもあります。御本尊は十一面観音です。平城京遷都1300年祭に合わせ、西国三十三所結縁御開帳として特別に本堂の中に入れていただき、十一面観音(重要文化財)に直接祈願することができました。 

元旦は、拝観料も無料です。
左の本堂に入って直に十一面観音と対面しました。
観音様に安全と健康をお願いしました。
なかなかすばらしい景色です。
門前の食堂で食べるにゅうめんは、体が温まります。

長谷寺について詳しい資料は、長谷寺ホームページ参照

2010年1月1日金曜日

Berdoa, Praying, 安全祈願

インドネシアでは作業の前に必ずお祈りがありました。
みんなが輪になってリーダーの合図に従って工事安全を祈ります。そして、最後に安全第一を唱和します。

(インドネシア語)
Ya Allah, berikan keselamatan dan kelancaran didalam melaksanakan tugas-tugas kami. Semoga engkau jauhkan dari segala petaka pada orang-orang kami.
Berdoa mulai.
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Mari kita ucapkan yel-yel
Satu dua tiga
Safety first (utamakan keselamatan), safety first, safety first

(英語訳)
Oh Allah, give me the safety and smoothness in carrying out our duties. Wish you keep us from calamity.
Let’s pray.
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Let's say yells
One two three
Safety first, safety first, safety first

(日本語訳)
おおアッラーよ、私たちの任務の遂行に際し、安全性と任務が上手く運ぶことを与えたまえ。
そして人々を災いから守りたまえ。
さあ、お祈りしましょう。
<黙祷>
さあ、大きな声で言いましょう
一、二の三
安全第一、安全第一、安全第一