2010年5月5日水曜日

高知県は資源王国

石油鉱業連盟が5年に1度発表する2007年の資料で、世界の石油は、あと約68年ぐらいで枯渇するとしています。世界の石油埋蔵量は調査の進展と採掘技術の進歩により毎年変化する。その結果予測値は、未発見資源の減少による可採資源量と経済成長の著しい中国などの需要増とのバランスにより想定されている。
一方、天然ガスの枯渇年数は、約98年と予想しています。この結果、石油の不足分は徐々に天然ガスに置き換えられると考えられる。

石油の需要増と供給不足は、更なる石油価格の高騰が予想されます。そして石油価格の高騰は、天然ガスの価格上昇と連動して電気料金や化学肥料や工業製品価格が上昇し、資源の乏しい日本経済を圧迫します。

しかし日本には、海洋に今まで手をつけていない資源が豊富に眠っています。
その一つがメタンハイデレードです。メタンが高圧力下で水の分子の籠に入って圧縮されたメタンで、太平洋の南海トラフ溝沿いに豊富に埋蔵している。日本周辺海域には約6兆m3のとメタンハイドレードがあるとされ、この資源量は、日本の天然ガス年間使用量の約百倍程度に相当するとされているが、まだ採掘技術が確立されていないのとコストがかかりすぎるので、実用化の目処が立っていません。
メタンハイデレードから取り出すメタンから燃料や化学材料の合成が可能になり、石油の代替になることが予想されます。

もう一つは海水に無尽蔵に含まれる酸化マグネシウムです。金属マグネシウムの微粉末を水と反応すると水素が発生する。この水素を燃焼することにより燃料として使えます。酸化マグネシウムを太陽光レーザーを使って金属マグネシウムに精錬する技術が開発され、にわかに期待が集まっています。

高知県は、産業が乏しく県民所得も全国で最も低いグループに属しています。しかし、目の前に豊富な海洋資源が眠っています。特に高知県沖の南海トラフは、メタンハイドレードの埋蔵域の中心に位置し、開発が進めば世界一のエネルギー生産基地になる可能性を持っています。
おまけに、森林資源や太陽光も豊富です。現在の中東のようなエネルギーのイニシアチブをとるのも、やり方によっては夢ではなくなります。

エネルギー確保は国家の生命線であり、バラマキ予算で国民のご機嫌をとるのもいいが、30年〜50年先の将来を見据えた技術開発に、国の予算をつぎ込んでもらいたいものです。

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