2010年9月8日水曜日

登山用ストーブの危険性

キャンプや河原での焼き肉パーティなどでストーブ(コンロ)の爆発事故が多く発生しています。

ストーブの扱い方を知らない人が、知ったかぶりをして事故に遭うケースが多いです。
調理用のコンロには大きくガソリンストーブとカートリッジ式ガスストーブがあります。昔は灯油またはガソリンストーブが主流でしたがコンロが重いこと、バーナノズルがよく詰まりメンテナンスが大変であること、そして着火するために圧力をかけて予熱する手間がいることなど、扱いが大変であるため、今ではほとんど使われることがなくなりました。私は今でもホエブスを2台とコールマンストーブを1台持っていますが、もうしまい込んだままです。カヌーなどで車で出かける時ぐらいしか使いません。

今ではほとんどEPIのガスストーブに頼っています。カートリッジ式ガスストーブは軽くて着火が非常に簡単であることから広く普及しています。しかし正しい使用法を知らないことが多く爆発事故の発生が後を絶ちません。
ガスはノルマルブタン、イソブタン、プロパンの混合ガスが液化された状態です。ブタンが主です。液化ガスは気化した際、気化熱を奪いカートリッジが冷却され気化しにくくなります。したがって、高度登山になると気化温度が低いプロパンの割合が多くなります。

使用上、特に注意しないといけないことは次の点です。
・閉め切ったテント内で使用すると一酸化炭素中毒や火災の危険性があります。閉鎖空間で発電機を動かすのと同じです。知らぬ間に気が遠くなって倒れて、死に至ります。
・大きな金属鍋を上に載せてのんびりと鍋料理をしたり、二台並べて鉄板を置き、焼き肉などしていると、鉄板からの放射熱でガスカートリッジが暖まり爆発する危険性があります。一番多い事故です。
・網を載せて炭に火をおこしても、同じように炭の放射熱により爆発の危険性があります。
・熱がこもるようにとストーブの周りをアルミニウムの風防で覆っても同じようにカートリッジが暖まって爆発する危険性があります。
・海岸などで焼けた砂浜の上に置いて使用しても、砂の熱と直射日光とでカートリッジが暖まり爆発する可能性があります。
・閉め切った車の中に放置した場合もカートリッジが高温になるため爆発する危険性があります。
・ガスカートリッジはとにかく安定が悪く、鍋などを置くと転倒し、鍋の熱湯によるやけどや火災の危険性があります。
・バーナーとカートリッジの取り付けが悪い場合、ガスが漏れて火の気があると引火して爆発する危険性があります。
以上爆発の危険性は、寒冷地用カートリッジの方がプロパンの含有率が高く引火点が低くより危険性が高まります。夏場に寒冷地用を使用するのはあまり勧められません。

さらに危険な行為が、最近インターネット販売で出回っているニュージーランド製のガス詰め替え装置の使用です。アダプターを取り付けて家庭用ガスボンベを登山用ガスカートリッジに詰め替えるものです。もちろん違法行為で危険極まる行為です。

ガソリンストーブでもパッキングからのガソリン漏れへの引火や、圧不足や圧過多により火柱が上がったりする事故がありました。またホワイトガソリンをポリタンクに入れて運んでいたため、飲料水と間違えて飲みかける事故もありました。ただタンクの加熱による爆発の危険性はなく、いまでも鍋料理や焼き肉の場合は使います。

危険性を知らないで使うこと程、恐ろしいことはありません。

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