2011年8月3日水曜日

ISO9001:2008の改訂

ISO9001:2008年度版の大改訂作業が始まったと発表された。ISO9001は、品質マネジメントシステムであるが、製品の品質管理に留まらず、品質管理を組織的に行って業務改善を行う経営の基本に位置づけられている。

改訂の詳細はまだ発表されていないが、聞くところによると、ISO14001と同様に、リスクマネジメントの考え方が大幅に取り入れられるらしい。OHSAS18001では、リスクアセスメントがマネジメントの核になっていて、是正処置・予防処置を行うようになっている。リスクマネジメントにはISO31000というガイドラインがあり、この考え方を各マネジメントシステム共通の考え方にしていくのが、今後の世界的な流れと思われる。ISO31000は、規格ではなく認証を要求しないが、それぞれのマネジメントシステムに取り込んで、そこで認証する。

そこで考えられるのが、ISO9001にも品質リスクの洗い出し・評価・リスク低減策・見直しの考え方が取り入れられる。しかし、この考え方は別に新しい手法でもなんでもない。いままでごく自然のうちに行っていたものであり、リスクアセスメントや環境影響評価に慣れていれば、特に慌てることはないであろう。

リスクマネジメントに注目するようになったのは、東日本大震災における福島第一原子力発電所の大惨事が全世界にショックを与え、品質管理が高いと思われていた日本のマネジメントの信頼性が揺らいだことが影響していると考える。リスク管理を怠ったために、工業製品の世界的なサプライチェーンがマヒしてしまった。

ISO9001にリスクマネジメントを取り入れることにより、ISO14001およびOHSAS18001との整合性がより深まり、マネジメントシステムの統合も進むであろう。
なお、次期ISO9001の登場は、早くても2015年と言われているが、リスクマネジメントの手法は先取りして企業経営に取り入れていくべきであろう。

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