2009年2月8日日曜日

水中溶接は直流電源が有利

水中溶接はなぜ直流電源か
 
 人が電撃を感覚する最小の電流を感知電流といい、その値は交流で0.5mA、直流で2mAといわれます。電流の値をさらに大きくしていくと、その電流値では直接生命の危険はないが、通電経路の筋肉の痙攣が激しくなり、神経が麻痺して運動の自由が利かなくなる。このような運動の自由が利かなくなる限界の電流値を不随電流といい、逆に運動の自由を失わない最大限度の電流値を離脱電流といいます。

まず,電撃に対しては離脱電流が目安となる。離脱電流以上の電流が流れると,水中での呼吸に問題が生じるため,手が自由に動かせなくなるという物理的な問題と心理的な要因が重なって危機的な状況に陥りやすい.
 <人体(女性)の離脱電流>
 直流   :50mA
 交流60Hz :10.5mA

 そして、直流における心室細動電流は、60Hzの交流よりもおよそ4~5倍になっており、交流のほうが直流に比較してはるかに危険です。
羊について、一方の前足から他の後ろ足に3秒間通電した結果(人では実験ができない)
 <心室細動電流>  
 直流   :1300mA
 交流60Hz :250mA
 ※心室細動電流:心室が細動を起こすような電流をいい、正常な脈動が打てなくなって血液の循環に支障が生じ、それが持続すると死亡する。

 したがって、水中溶接では、直流溶接機を用いるほうが交流より危険性が低い。

参考ホームページ
http://www.mre.aist.go.jp/db-uwt1/DUCK/full/uwc2233.html

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