2009年1月15日木曜日

リスクアセスメント診断

コンサルタント会支部研修会で厚生労働省委託事業であるリスクアセスメント診断の発表を行いました。

 対象事業場は製造業でした。この事業場ではまだリスクアセスメントを導入しておらず、一からの教育指導となりました。しかし、独自の安全活動を行っていて受け入れる下地は十分できていると判断しました。
 
その独自の安全活動ですが、
一つは、300×運動 :ハインリッヒの法則の300の部分をヒヤリハット報告で一つひとつつぶしていこうとする運動で、毎月かなりの量の報告が出ていました。
 
次に、ベルパトロール :トップ自らがベルを鳴らしながら安全パトロールをするもので、東レの元岐阜工場長である丹羽氏が始められたものを実践していました。

したがって、リスクアセスメントをするための資料が豊富にありました。
また、リスクアセスメントの演習では危険性または有害性を表現する方法がうまくできず、「〜とき、〜して、〜になる」という表現方法を指導し、原因と結果が明確になるようにすることによって、対策を立て易くするようにしました。
リスク評価はグループによって大きくばらつき、少し混乱が見られました。ここで指導したことは、リスクアセスメントで重要なことは危険性または有害性をとことん洗い出すことで、リスク評価は経験者を交えることと時間をおいて見直しをかけ現時点でのばらつきはあまり気にしないようにすることを強調しました。

製造業に対するリスクアセスメントは、固定場所で同じ人が行うので、時間をかければだんだんと精度がよくなっていきます。しかし、建設業の場合はそうはいかず、協力会社の教育が主体になり教育効果も限定的にならざる得ません。 

建設業におけるリスクアセスメントの重要ポイントは作業手順書の作成にあると思います。施工計画書段階では作業の細かい所まで危険性または有害性を洗い出すことはできず、工事全体の重点安全対策を策定することがメインとなります。また危険予知活動では細かいことをやる時間はありません。

最近感じることは、建設業でのリスクアセスメントが形骸化しないよいうにするためには、元請け職員にも職長・安全衛生教育を受けさせ、リスクアセスメントを職長と同じレベルで理解させる必要があることです。

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