2009年9月1日火曜日

建設業の今後は、自ら構造改革を

衆議院総選挙で民主党が勝利し、次期特別国会で政権が交代します。

この政権交代で、国政が大きく変わると思われます。その中で、景気がどうなるのか、財政はどうなるのか、建設業はどうなるのか気になるところです。民主党のマニュフェストから推測すると、今までの税金の無駄遣いを正すとさかんに主張していますが、公共事業がすべて無駄遣いなような表現をマスコミは慎んでもらいたいものです。

無駄遣いは徹底して削減することに賛成ですが、建設業は税金を浪費している悪者扱いする風潮には反対です。税金の無駄遣いを削減することにより公共事業の規模は大幅に縮小します。そして多くの建設会社が淘汰され、地方では失業者が増加します。その失業者の受け皿をしっかりと設ける政策、いわゆる雇用のセーフティーネットを充実してもらいたいものです。

民主党のマニュフェストを抜粋すると
1ムダづかい
1.現在の政策・支出を全て見直す
【政策目的】
○自民党長期政権の下で温存された族議員、霞が関の既得権益を一掃する。
○政策コスト、調達コストを引き下げる。
【具体策】
○「行政刷新会議(仮称)」で政府の全ての政策・支出を、現場調査、外部意見を踏まえて、検証する。
○実施方法・調達方法を見直し、政策コスト、調達コストを引き下げる。
○不要不急の事業、効果の乏しい事業は、政治の責任で凍結・廃止する。

28.国の出先機関、直轄事業に対する地方の負担金は廃止する
【政策目的】
○国と地方の二重行政は排し、地方にできることは地方に委ねる。
○地方が自由に使えるお金を増やし、自治体が地域のニーズに適切に応えられるようにする。
【具体策】
○国の出先機関を原則廃止する。
○道路・河川・ダム等の全ての国直轄事業における負担金制度を廃止し、地方の約1兆円の負担をなくす。それに伴う地方交付税の減額は行わない。

となっています。公共事業がさらに減少し、建設業の淘汰がまさに始まろうとしています。国土交通省も、建設業者の過剰感を解消するため、数々施策を発表しています。そのなかで、これからは国外で事業展開すべきで、国土交通省もバックアップする体制を整えていきたいとしています。

先日、国土交通省が主催する「建設業等の国際展開支援フォーラム」(座長は元三井物産の常務で現日本総研の寺島実郎氏、メンバーには高知工科大学の草柳教授他)があり、そのなかで施策が述べられています。
 わが国の重点政策が公共事業を中心とする社会基盤(ハード)の整備から、少子化対策・高齢者医療・介護(ソフト)の整備へと大きく舵を切り、日本の社会構造が大きな地殻変動を起こし始めています。戦後60年余にわたり日本の復興から発展へ多大な寄与をしてきたわが国建設業も、1990年代初頭をピーク(80兆円超)に徐々に減少に転じた国内建設投資を反映し、その勢いは漸減傾向をたどっています。特にこの数年を見るとこの傾向が一時的なものではなく(昨年度48兆円強)、まさに建設業陶汰の時代へ突入したといえます。今後は、わが国の建設会社が積極的に国際展開し、海外事業をこれまでの"従"たる分野から企業全体の"主"たる分野に転換を図る必要があるとしています。
 国土交通省のこのような発表は、今後の公共事業の縮小に対し、建設業に対し早急なる抜本的構造改革を求めています。

建設業は、民主党が政権を取ったからといってボヤクのではなく、遅かれ早かれ構造改革を行わなければ、産業として崩壊してしまいます。災害のない安全な現場で、良い品質のものを作るには、自ら構造改革をして健全性を保つ必要があります。

建設業も、今こそ改革を行うときです。

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