2009年11月10日火曜日

リスクアセスメントの実効性

リスクアセスメントは大手企業では取り入れられてきているが、まだ普及しているとはいえない。

そして、導入している大手企業でさえ、リスクアセスメントが有効に機能しているか、かなり疑問です。経営の要として品質、環境の次に労働安全衛生マネジメントシステムを導入していますが、マニュアルに記載されているので、外部監査のために体裁を整えて作成しているというケースがほとんどです。
要するに、リスクアセスメントが現場の安全衛生活動に有効に活用されていません。

マネジメントシステムの外部監査員が、現場に監査に来て、ただリスクアセスメントが揃っているかとか、リスク低減措置を策定した後の再リスクアセスメントはあるか、などだけをチェックして、実際にどのように活用され、どのような効果があったのかなど確認しないこと、さらにリスクアセスメントの書式がマニュアルと違うなど、現実的でない指摘をすることにも起因していると思われます。

また、一般的に経営者幹部も品質、環境、労働安全衛生マネジメントシステムに更なる資源を注ぎ込もうとはしません。なぜなら品質マネジメントシステムを導入したとき社員が疲弊したけれど、未だに生産の品質や環境、労働安全衛生が改善されたとはいいがたい。ISOは経営改善のためにあるといわれますが、相変わらずの不良品、環境汚染、災害の多発と改善されず、契約のための最低限必要な項目と考え、外部監査をクリアする以上のことにあまり力を注ぎたがらない。

ISOの失敗が労働安全衛生マネジメントシステムにも影響し、ISOとの違いを説明してもなかなか理解されません。早くもリスクアセスメントの形骸化が始まっています。労働安全衛生はマニュアルやいくら安全書類がしっかり整っていても、最終目的の災害発生が減少しないと意味がありません。形よりも実効性のあるリスクアセスメントが必要です。

建設業では、リスクアセスメントの必要性を理解させ、簡易な方法で効果を上げる方法を模索しなければなりません。

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