2009年12月3日木曜日

危険感受性向上教育に玉掛実技訓練が有効

現場で室内での安全教育のほかに、野外で実機を使った玉掛の実技教育訓練を行いました。
もちろん、訓練する職員は無資格者ですが当該国にしかるべき資格保有者を配置しての訓練です。
実施したのは、シンガポール、ベトナム、インドネシアの現場で、使用した移動式クレーンはトラッククレーン25t吊り〜クローラクレーン150t吊りです。吊り荷は鋼管500kg、L=3.0mなどです。
ここで共通した現象が現れました。それは、
1)職員がその現場またはその国の玉掛け合図を理解していないこと。
2)玉掛け合図がみんなバラバラであること。
3)玉掛合図者が指示をしないのに勝手に吊り荷に手を出してしまうこと。
4)補助者が勝手にオペレーターに合図を出してしまうこと。
5)退避指示および確認を省略してしまうこと
などがあげられ、なかなか吊り荷の重心にフックをあわせることができず苦心している状態でした。
この現象が人間がつい無意識のうちに行ってしまう減少で、実際の作業においても現れています。
職員が実際に自分が行ってみて、何が危険で、何が問題か実感することが目的で、危険感受性向上教育の一環です。
玉掛でのもう一つの課題は、ワイヤロープの良否を職員が目で見て判断できないことが多いことです。玉掛と台付けの違い、ワーヤロープの廃棄基準、ワイヤロープの選定方法など目で見て教育することが効果的です。
リスクアセスメントを推進しているが、どこも形骸化していて有効に活用されていません。監査のために用意する書類になってしまっていて、せっかく労力が無駄です。原因は作業標準などから抽出して内容も分からないまま書類を作ったり、協力会社が作成した作業手順書をそのままファイルするだけで、何が危険か分かっていないことです。
危険感受性が備わっていないと、本来のリスクアセスメントができるはずがありません。これからは、リスクアセスメントと危険感受性向上の教育を同時に進めていく必要があるでしょう。

0 件のコメント: