2009年12月14日月曜日

発展途上国における中古機械の安全確保

発展途上国では、日本や韓国の中古建設機械が多く使われています。

しかし、クレーンの安全装置がほとんど付いていないか壊れています。
一応現場への持ち込み時には、持ち込み検査をしていますが、現地の安全担当者のチェックは可成り甘いようです。さらに、地元政府機関が行うクレーン検査など、クレーンについてほとんど知識のないものが行うので全く安心できません。その国自体に安全法令が整備されていない、新しい機械を下請けが買う資金的余裕がない、機械自体がない、修理のための部品が手に入らない等、どうしても安全装置のない古い機械を使わざる得ません。

先日見たクローラクレーンは、荷重計がない、過負荷防止装置がない、巻過防止装置がない、警報機がないような状態で、オペレーターがキャタピラの後部が上がるまで大丈夫というような勘で操作していました。このような状態において、何があろうと日本と同じような安全基準を守れと言っても仕事はできません。ある程度彼らの経済状態や機材の調達状態を考慮して、最低限の安全管理をしていかなくてはなりません。

まず、重機の基本性能を点検確認することです。いくらクレーンでもブームが折れそうな状態やメインのワイヤロープが切れそうな状態ではクレーンとしての機能を満足しません。また、車両系建設機械は、ブレーキがきかないと危なくて作業できません。
次に能力を落として作業計画を立てること。例えばクレーンなどは定格荷重を80%以下にして計画するなどの対策が必要です。

次に怖いのは老朽ダンプトラックやトレーラーです。ダンプトラックはあおりを高くして積載量を増やしていますが、車体フレームに亀裂が走り、荷台を上げたとたんにフレームが切断して横転する事故が耐えません。サイドブレーキが利かない車も多く、坂道で暴走したりします。なかなか細かな検査までできず、とにかく車に近づかないように徹底するしかありません。

日本では労働安全衛生法に従って作業をすれば最低限の安全は確保できますが、発展途上国では、守ってくれる法律もなく基本に戻って安全確保を考えていかなければなりません。

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