2010年3月17日水曜日

技術者の自己研鑽

先週、技術士会主催のCPDに関するセミナーがあった。

CPDを如何に発展し有効あるものにするかと、いわゆる「実質化」がテーマであった。現状はどうかというと、国土交通省の技術評価制度への加点のためのCPDポイント獲得という流れと、技術者が本来の自己研鑽のために行うCPDとがあり、前者は技術レベルは非常に低いが多くの参加者がいる。しかし、後者の技術者本来の自己研鑽は技術レベルが高いが参加者がまだかなり低い。資格を取得した以後、何もしていない一般の技術者がほとんどを占めると思われます。

なぜそうなるのか。
まずあげられるのが、日本の資格は永久資格で更新の必要がないものが多いことです。このことが欧米から同等資格としてお互いに承認できない原因になっています。
そこで日本技術士会や日本労働安全衛生コンサルタント会は、継続研鑽(CPD)制度を導入しているわけですが、更新制というハードルがないために、多くの技術者が理解を示さないのが現状です。言い換えれば国土交通省の総合評価の対象者でなく、資格の更新制度がなければ、何も苦労して自腹を切ってまで講習会などいく必要がないということです。CPDを行わなくても実害がないと思うのが本音でしょう。

今、技術者の技術力の低下が懸念されています。今後国内の社会基盤整備のための投資がさらに減少し、技術者の活躍の場が狭くなってきます。質の高い技術者しか残っていけなくなります。また海外に出て業務をする機会も増えてきますが、技術者として胸を張って出て行けるでしょうか。

今の現状の技術力では、欧米の技術者と対等に勝負できません。

この現状を打破するには、技術士や労働安全衛生コンサルタントの資格登録の更新制へ移行し、再登録審査にCPDを活用し、実質的に技術者の室を高めることです。そのためには組織を充実させる必要があり、弁護士や医師制度のように、全員が協会に所属し、社会の認知を高める必要があります。そして米国のPEやSafety Engineer協会、英国のCEなどと連携を図り、全世界で認められる資格にするべきです。

技術者が技術の勉強を行わなくなったら、もう技術者ではありません。

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