2010年12月8日水曜日

グリーンビルディング

先進国の温室効果ガス排出削減の目標を定めた京都議定書は、2012年で期限が切れる。メキシコで国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP16)が始まったが、先進国と発展途上国の溝は埋まりそうにない。しかし、先進国においては低炭素社会への大きな流れは止まらない。

建設関係においてはグリーンビルディングの取り組みが始まっている。
グリーンビルディングとは、米国建築業界を中心とする民間企業によって組織・運営されている「米国グリーンビルディング協議会(US Green Building Council1)がすすめているもので、環境に配慮した建築物や不動産を指し、一般的に、「環境配慮型不動産」などと称される。
すなわち、環境も人間も健康でいられるべく、デザイン・施工・メンテナンスされた建物のことをあらわす。商業ビルでも住居ビルでも、新築でも中古物件をメンテナンスしたものでも、基準を満たせばグリーンビルとしてみなされる。

グリーンビルディングの認証は、LEED (The Leadership in Energy and Environmental Design)というグリーンビルディング格付け基準をパスしたビルのみである。
認証の基準は以下の6つの項目に分かれている。
 1. 敷地の持続可能性
 2. 水効率
 3. エネルギー
 4. 資材・資源
 5. 屋内環境基準
 6. 革新性と設計プロセス

日本には、独自の性能評価ツールである建築物 総合環境性能評価システム (CASBEE Comprehensive Assessment System for Building Environmental Efficiency) がある。いずれも建物のライフサイクルにわたって持続可能性能を審査し改善を図る環境性能評価ツールである。

これらの評価は、まだ日本では普及していないが、近い将来、投資家の関心の高まりから、CSR目標に環境負荷低減を掲げる企業にとってこのようなビルに入居することや、設計施工することが必須うになることが間違いない。すでにコンビニエンスストアでも太陽光発電やLED照明、ヒートポンプを採用したりするところが増えてきた。

日本は技術力では世界をリードするが、グリーンビルディングの認証システムでは米国に主導権を握られることが予想される。日本のしくみづくりの弱さが表面化しないうちに手を打つ必要がある。

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