2011年3月9日水曜日

炭素利用社会への移行

地球温暖化防止対策として温暖化効果ガスの削減や二酸化炭素排出の削減が叫ばれています。

国連人口基金から2010年版の世界人口白書が発表され、世界の人口は今年中には70億人に達するという。
現在世界でもっとも人口の多い国は、中国の13億5410万人、次いでインドの12億1450万人が続く。さらにインドは、2020年代には中国を追い越して人口世界一になる見込みだといわれている。
一方でこれらの国は、Bricsと呼ばれ経済発展が著しく、それに伴い二酸化炭素の排出も急激に多くなると予想される。

人口増加と経済発展に伴い、地球全体の二酸化炭素排出量の増加は避けられないのが現実である。それでも、地球温暖化のスピードを少しでも緩和するためには、二酸化炭素の排出を押さえた低炭素社会に移行するが叫ばれている。しかし、低炭素社会の実現には大きな経済負担を伴い、国際競争社会の中で政府や企業は、二の足を踏んでいるのが現状である。逆に、この経済負担のハードルを克服すれば、経済的にすごい武器になる。

それにはまず、産業の基本材料を製造段階で炭素を大量に排出する鉄鋼からCFRP(炭素繊維強化プラッチック)に移行することである。
まだ、CFRPは非常に高価でゴルフのシャフトや航空機のボディに使わているのにすぎず、大衆消費材にはまだ大量に採用されていない。これを製鉄所のような大規模な工場で生産し炭素繊維のコストを下げ、自動車などに採用することにより成型コストを下げて鋼板と同程度までコストを下げることです。また、CFRPも超臨界アルコールを利用したリサイクルにより炭素繊維を再度CFRPに利用することができる。このような材料を採用することにより、電気自動の軽量化が可能になり、走行速度も大幅に増加し、二酸化炭素の排出を抑制することができる。

一方、電気自動車は、静電誘導方式により簡単に充電できる装置を各パーキングエリアごとに設置すれば、普及に弾みがつく。太陽光発電を電気自動車の充電に使えば、発電所の負荷も低減する。また、製造段階で排出される二酸化炭素はCCS(二酸化炭素の回収・貯蔵)により、回収することも、現在すでに実用化されている。

これらの技術は、すべて既存の技術であり政府がやる気になり予算を集中的に投下すれば、世界経済をリードすることも可能である。宇宙開発に膨大な予算を注ぎ込むのか、それとも眠っている技術を世界経済の牽引役として予算を注ぎ込むのか、この問題に早く取り組んだ者が勝者になるであろう。いかに二酸化炭素を大気に放出しないで炭素を利用するかがこれからのキーポイントとなると確信する。

資源の乏しい日本にとって、これから生きる道はまだ余力のある資金を環境問題を解決する技術に集中投資し、経済的優位を確保するしかない。
絶えず首相を引きずりおろして交替するようなことばかり繰り返している暇は、これからの日本にはない。

0 件のコメント: