2011年4月20日水曜日

効果的な送り出し教育

大手ゼネコンより、協力会社として一部作業を請け負うとき、従事する従業員に「送り出し教育」を実施するように指導されることが多い。

元請会社から基本的な資料を渡され、それに基づいて協力会社が従業員に教育をすることになっているが、本当にどこまで真剣に教育して従業員を送り出しているのかは、その場にいないので正確なことはわからないがどうも疑わしい。書類だけ作成して元請会社に提出しているのではないだろうか。

送り出し教育は書類を作成するのが目的ではなく、立派な書類を求めるのは間違っている。
建設現場には多くのハザードがあり、労働者が守るべきルールも多くある。それを、事業者の責任だからといって何から何まで教育したように書類で残すのはどうかと思う。労働者は多くのことを書類で指導されてもほとんど頭の中に残らないであろう。ただ最後に受講のサインをするだけである。

効果的な教育をするには危険のポイントを絞り込む必要がある。その一つの方法としてミニマム・スタンダードというのがある。ミニマム・スタンダードとは、大学生に学内の規律として「これだけは最低限守りましょう」ということに使われている。

従業員にあれもこれも守れというのではなく、その現場の作業における特有のハザードに対して、もっとも重点管理対策とすべき項目を3点だけ絞り込んで教育する。この考え方はリスクアセスメントにおける管理策の優先順位と同じである。リスク評価などの形式的なことはせず、過去の経験から3点を絞り込むことで十分である。そして現場からの意見をフィードバックして見直していけばよい。

安全教育も簡略にすることで効果が上がると考える。けっして責任回避を考えてあれもこれもと言わないことだ。

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