2009年2月24日火曜日

災害記憶の風化

 災害が発生したとき、マスコミは寄ってたかって批判し、当該企業やその関係者は事の重大さを胸に刻み込み深く反省しますが、時間と共にそれが薄れてきます。そして何年か経つと過去のものとなって人事のように思う人が多くなります。

この災害の風化を防止するため、現物保存をして安全教育に役立てている施設があります。

航空業界では日本航空が、1985年8月、JAL123便羽田発伊丹行きジャンボ機が御巣鷹山に墜落した航空災害について後部圧力隔壁などの残存機体を展示た「安全啓発センター」を設置しています。この施設は、社員の安全教育を目的としていますが、一般にも公開していて、安全に対して社会に発信しています。

鉄道業界ではJR西日本が、2005年4月、福知山線脱線事故の風化防止と社員の安全教育を目的に「鉄道安全考動館(てつどうあんぜんこうどうかん)」が設置されています。この名前の付け方が印象的で、社員が安全確保について考え、行動を新たにすることが込められていると思います。
 JR西日本が23日、京都市下京区の梅小路蒸気機関車館に隣接して新たな鉄道博物館を整備することを新聞発表しました。梅小路蒸気機関車館には、蒸気機関車が動態保存されており、私も何度か訪れました。このような一般の人が集まるところに「鉄道安全考動館」を移設し、広く公開してもらいたいものです。

阪神淡路大震災の体験を実物大模型で再現し、実際に災害に会われた方が語り部として解説してくださる施設として「人と防災未来センター」が神戸にあります。私もこの施設には行きましたが、日本航空の施設と鉄道安全考動館にはまだ行ったことがありません。ぜひ行ってみたい施設です。

建設業界にもこのような災害を風化させない施設を設置してほしいものです。

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