2009年2月26日木曜日

海上工事へのAIS導入

船舶自動識別装置(AIS)の搭載が進んでいるそうです。

2008年8月に500t以上の内航船舶の猶予期限が切れました。
500t以上のガット船も対象ということになります。

AISは、各種情報が自動的に発信され、付近の船舶及び陸上の管制レーダーはそれを受信し、レーダーにその情報が画面に映し出される仕組みになっています。
発信される情報は、
船名の他
・航海情報:喫水/ 積載危険物の種類/目的地/目的地到着時間
・動的情報:緯度・経度/位置精度/時刻/対地針路/対地船速/船首方位/回頭角速度/航海ステータス
・靜的情報:MMSI/呼出符号/船名/IMO番号/船体長さ・幅/船舶の種類/アンテナ位置
などがあります。
VHF(156MHz~174MHz)の電波を使用して船舶相互および船・陸上局間で自動的に通信を行うため、レーダでは島影等で見えない船舶でもAISでは画面に表示できるようになります。

ただし、AISの搭載義務はあるが、電波を発信する義務はないらしい。その理由は、発信情報の中に積荷の内容が含まれているため海賊の標的になることを避けることです。また、巡視船や艦船は電波を発信せず受信のみ。潜水艦が位置情報を発信したり、空母が核兵器搭載を発信したら大きな問題になります。

国内では電波を発信しなかったらすぐさま不審船として停船命令が出るのではないでしょうか。

最近は、港湾工事において大型船航行の把握のため作業所にAIS受信システムを設置して、海上衝突の防止に役立てています。また、警戒船もAIS情報により接近する船舶に対し、VHSで注意を促すようにしています。
地盤改良船や大型ケーソン曳航などの場合、AISの搭載義務はありませんが細かな周辺船舶への注意喚起のためAISを場合によっては搭載することを考慮する必要があるでしょう。

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