2009年3月6日金曜日

職長教育の重要性

以前は、協力会社から安全衛生責任者が選任の報告を受け、選任された者は当然のように職長教育を受けている人達であり、それが当たり前でした。

しかし、最近は当たり前と思っていたことがそうでもないらしい。
建築工事では、重層下請が数次にも及ぶようになり、安全衛生責任者として選任された者でも職長教育を受けたことがない人が多くなっています。最後次に及んでは、一人親方になるケースがあり、名前だけの安全衛生責任者で、職長教育は受けておらず、安全の知識は相当低いケースがあります。
景気後退と競争激化でこの傾向が、益々強くなるのではないでしょうか。

労働安全衛生法の中では、労働者を直接指揮監督する者として、職長、安全衛生責任者、作業主任者がいますが、この区別を理解していない元請職員もいます。

それぞれの役割は、
1.職長
1)役割 :労働者を直接指揮監督する者であり、労働災害防止活動を推進する最も重要な位置づけです。
2)選任基準 :規定なし
3)資格 :なし
4)事業者の責務 :事業者責任において所定の安全衛生教育を行わなければならない(法60条、罰則はなし)

2.安全衛生責任者
1)役割 :統括安全衛生責任者及び後次請負人との連絡調整、混在作業による危険の有無の確認等
2)選任基準 :統括安全衛生責任者が選任される事業場の下請事業場(法16条・則19条、罰則は有り)
3)資格 :なし
4)事業者の責務 :建設現場では、職長が安全衛生責任者を兼務することが多く見られ、「職長・安全衛生責任者教育」の実施について行政通達が出されています。

3.作業主任者
1)役割 :当該作業に係る労働者の指揮、その他必要な業務
2)選任基準 :法令で定められている業務(法14条・令6条、罰則は有り)
3)資格 :法令で定める免許又は技能講習
4)事業者の責務 :職長教育は不要

これらの中でよく理解されていないこととして以下のことがあげられます。
まず第一に、職長とは、同じ事業主から雇用されている労働者を直接指揮監督する者であるということです。二次の安全衛生責任者が三次の労働者に細部に至るまで直接指揮監督を行う場合、三次の安全衛生責任者は、職長ではありません。そして場合によっては偽装請負とされるかもしれません。

第二に、職長教育は事業者の責任であり、元請は教育の指導・援助をするということです。事業者責任があるのに法令では罰則規定がないから行わないでは困ったことです。事業者に責任を自覚してもらわないと、いつまでたっても職長の安全水準が上がりません。強いては現場の安全水準もあがりません。

こういうことを分かっていない元請職員が増えてきました。建設現場では、職長教育を疎かにしてはいけません。
まず、元請職員に職長教育の内容を理解させることがまず先決でしょうか

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