2009年3月9日月曜日

一人親方は建設現場の弱者

ある現場で作業員が脚立から転落して怪我をしました。
早速現場へ駆けつけていろいろ話を聞くと、その作業員は一人親方でした。

その作業員は、新規入場のとき〇〇工務店の従業員ですと申告していました。本人は嘘をついているのではないということも後で分かりました。本人は未だに自分は材料持ちで仕事をしているわけでないので一人親方ではないと思っていました。

したがって、一人親方の特別労災に加入していません。建設国保に加入していただけで、労働災害に対して保険が出ません。
しかし、お金の受け取り方は平米当たりいくらでの請負いでした。実態を調べてみると、雇用保険を支払わず、仕事の大小に合わせて都合のいいように給料が支払われているだけで、本人はその会社に完全に従属していて営業活動もせず、指揮命令を受けて仕事をしていました。

最近の建築工事はデベロッパーが強引に工事価格を押し下げ、そのしわ寄せが下請への支払金額に影響しています。下請会社も労働者を抱えきれなくなって拘束している労働者を請負契約で給料を支払い、経費を圧縮しているのが現状です。特に型枠大工、鉄筋工、タイル工など、末端の作業員にしわ寄せが来ています。

請負契約の末端にいる一人親方は、重層下請の弱者であり、安全面においてもフォローしていかなければなりません。

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