2009年3月15日日曜日

安全文化とリスクアセスメント

安全文化が育っていないと、リスクアセスメントは形だけのものになるのではないか。

鉄道事業者は、リスクアセスメントをまだ導入を表明したばかりです。
2005年4月、死者107人を出したJR宝塚線脱線事故に対する新安全計画についての提言では「リスクアセスメント」の導入などが柱になっています。
なんと、鉄道事業の安全管理へのリスクアセスメントの導入は日本初らしい。
この例でも分かるように、リスクアセスメントはまだ普及しているとはいえません。

導入の理由は、建設業でもあげられている「過去の事故への対応を主体とする安全対策からの脱却が必要」とし、後追いの安全管理から先取りの安全管理の必要性を説いています。
形だけのリスクアセスメントでは意味がなく、真の安全衛生管理の意味を理解して普及させるにはかなりの努力が必要と思われます。また、施設の改修や速度基準の変更
の際、過去の事故などを参考に危険を事前に数値化し、点数の高い順に対処する方法をとるといっていますが、経済性と安全性のトレードオフをどのように調整するか、安全文化が育っていないとどうしても経済性を優先するように流れてしまいます。

リスクアセスメントを推進するには、組織の安全文化が育っていないと形だけのものになってしまいます。「安全をすべてに優先させる」という基本方針を掲げていても、本音では利益を優先するような場合、リスクアセスメントはなかなか効果を上げられないでしょう。

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