2009年3月31日火曜日

手摺先行足場

ある日の安全パトロールでのことです。

 港湾工事のコンクリートケーソン製作現場で「手摺先行式足場」を採用していました。組み立て中の最上段はきっちりと立ち入り禁止になっていて一見申し分のない管理をしているように見えました。
 しかし、よく見ると組み立て中の最上段のコーナー部分や昇降階段の部分に手摺が全くない箇所があり、それを放置していました。

 この現場は、「手摺先行式足場」を採用した意味を全く分かっていないのです。
 「手摺先行式足場」は組立作業中の災害を防ぐために前もって手摺を付けておく方法です。したがって、どうしても前もって手摺を付けることができない隅角部や昇降部分は足場を設置した時に即取り付けるべきです。それを何もしないで放置しておくのは問題です。

 土木現場では、国土交通省の指導の成果が上がり「手摺先行式足場」を採用するケースが多くなっっています。特にケーソンでは躯体との隙間が無いように歩み板が設置され幅木も取り付けられ完璧に近くなっています。
 しかし、建築現場では手摺先行式足場の採用はまだ低調です。この土木と建築の安全文化のギャップを何とかして埋めなければなりません。

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