2009年8月24日月曜日

電車運転中の盗撮行為

JR西日本の運転士が運転中に女性を盗撮したことがニュースで報じられました。

21日、JR西日本の姫路発敦賀行きの新快速電車で、湖西線のマキノと永原の間を時速120kmで走行中、イスに座ったまま後ろを向きカーテンの隙間から女性2人を携帯電話のカメラで盗撮していたことが判明しました。

JR湖西線は一般の在来線と違い、全線立体交差化され踏切が一切なく、最小半径1400km、最高速度130kmの規格となっています。また、ほくほく線のように高速信号システムやホームドアを導入すれば、特急サンダーバードを時速160kmで走行できるようになっています。
このような規格が通常の在来線と違って、安全装置に任せて運転すれば安全が確保でき運転の単調さが生じるのだと思います。

航空産業ではヒューマンエラーの分析が進んでいます。飛行機のパイロットほど単調な業務はありません。離陸と着陸の際は最も緊張しますが、巡航中は業務が極端に単調になります。人間の本来の特性として、攻撃性、同調性、好奇心があります。そのなかで好奇心は、あらゆる発明・発見、創造の根源をなすものです。しかし、パイロットや電車の運転士にとって好奇心は注意力を散漫にします。新快速電車の運転士は停車駅の間隔も長くずっと座りっぱなしで、退屈を紛らわせようとして働いた好奇心が大きな事故に発展する危険性があります。単調な業務そのものが不注意のもとになり、ちょっとした過ちが大惨事につながります。

JR西日本は、宝塚線脱線事故の再発防止対策として鉄道業界として始めてリスクアセスメントを導入すると発表しましたが、航空産業で取り入れているヒューマンエラー対策も導入すべきです。今回の事件は、単に運転士の規則違反で終わらせてはなりません。運転士の業務特性をヒューマンファクターの面から分析して、対策を立てる必要はあります。

強いストレスが続く時、セックスなどに気が散るのは人間本来の自然の姿かもしれません。根本原因のストレスの緩和方法や、運行本部との交信などで業務の単調性を改善する等、ヒューマンファクターへの対応が必要です。

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