2009年10月8日木曜日

インフルエンザワクチン

新型インフルエンザウィルスH1N1で、ウィルスという言葉が日常生活に使われるようになりましたが、ウィルスと細菌はどう違うのか知らないことが多くあります。

  ウィルスは、20-100nm程度と非常に小さく、必ず他の生物(細菌、カビ、植物、動物)の細胞に入り込み、その細胞に自分のコピーを作らせます。細胞の中で自分のコピーが大量に作られると、やがてその細胞は破裂します。破裂したときに細胞の中から大量のウィルスが飛び出し、他の細胞に入り込みます。構造は、蛋白質の外壁と内部に核酸(DNA、RNA、つまり遺伝子)を持った単純な構造、すなわちコートたんぱく質で覆われ、自分の殻を作っているコートたんぱく質、自分を他から区別表する抗原たんぱく質、そしてそれらの遺伝情報を読み出すための複製酵素以外の遺伝子を持ちません。細胞の中に入り込んで細胞の内側から作用して、発熱などの症状をひき起こします。
主なウィルスに、インフルエンザウィルス、ノロウィルス、ロタウィルス、アデノウィルス、コロナウィルス、麻疹ウィルス、風疹ウィルス、肝炎ウィルス、ヘルペスウィルス、HIVなどがあります。

  一方、細菌は、1-5μmとウィルスの10-200倍程度の大きさで、体内で定着して細胞分裂で自己増殖しながら人菜細胞に侵入するか、毒素を出して細胞を傷害します。表層は脂質でできた柔らかい細胞脂質で覆われ、増殖するために必要な遺伝子情報を持っています。毒素を作ったり、細胞を溶かすなど、細胞の外側から作用して様々な症状をひき起こします。「抗生物質」は、細胞の構造を利用して作用させるため、細胞がないウィルスには効果がありません。
主な最近にブドウ球菌、大腸菌、サルモネラ菌、緑膿菌、コレラ菌、赤痢菌、炭疽菌、結核菌、ボツリヌス菌、破傷風菌、レンサ球菌などがあります。

  さらに、細菌より大きい真菌(カビ)は、人の細胞に定着し、菌糸が成長と枝分かれによって発育していく酵母細胞では出芽や分裂によって増殖します。真菌には、白癬菌、カンジダ、アスペルギルスなどがあります。

  細菌は栄養と水があればいくらでも増殖しますが、ウィルスは栄養や水があったとしても、ウィルスには細胞がない抗生物質が有効に働きませんが、ワクチンは予防に効果があるようです。そのワクチンが不足しています。特に発展途上国のワクチン不足は深刻で、先進国のエゴで自国のワクチンを優先させることではなく、各国平等にワクチンが渡るように協力すべきです。

  かつての新型インフルエンザの感染は数年間続き、数波のピークを迎えました。感染者数は第一波が大きいですが、後になるに従い感染者数が減る変わりに重篤者数が増え致死率が高くなる傾向がありました。新型インフルエンザH1N1は今のところ軽症ですが、これから徐々に重症になると思われ注意が必要です。

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