2011年11月2日水曜日

室内安全教育の改善

災害などが発生した後、かならず安全衛生教育を行って再発防止の徹底を図っている。また、災害が発生した時は、誰もが二度と災害を発生してはならないという意識が高まるが、時間が経つに従って災害の記憶が徐々に薄れ、安全意識も低下してくる。そのために、定期的に安全教育を行って、安全意識の再度引き上げを図っている。安全意識を向上させるためにも安全教育は必要ということが判る。

しかし、効果的に安全意識を引き上げ、それを長い間持続できるようにする教育となると非常に難しい。ヘルマン・エビングハウスの忘却曲線によれば、通常の人間は講義で学習したことを20分後には42%忘却し、1時間後には52%忘却し、1日後には74%忘却するとしている。

最近は、パワーポイントを使った講義方式の教育が多いが、パワーポイントは講義をする側にとっては、非常に楽に講義が行える反面、受ける側にとっては、画面が次々に変わっていき、全く記憶に残らない。また、教える項目があまりにも広範囲で量的に詰め込み過ぎる場合も、全く記憶に残らない。特に、パワーポイントを使った安全教育は、ヘルマン・エビングの忘却曲線以上に忘却すると思われる。
発言機会が少なく、メモを取らなくて済み、ただ受動的に聞いているためこのようになるのであろう。

また、参加型のグループ討議は、積極的に参加したものにとっては多少内容が記憶に残る。ただし、グループが大人数になると、そのグループの中で受け身になって発言しない者、グループでの発表内容を、結論からつくっていって討議を簡単に済ましてしまおうとするグループ(要領のいい人達)、グループ討議が間違った方向に向いていても講師の技量不足でそのままにしてしまい、目的に会った研修ができない場合等の問題がある。

安全教育は、出来る限り少人数で、受講者が他の受講者と意見をぶつけ合う形をとれば、その内容については強く記憶として残るであろう。講義は、議論を戦わせるための導入としての知識の提供に留める。そして、講師には、議論を旨く導く技量が必要になる。パワーポイントの講義は、資料を用意しておけばそれを説明するだけで終わるが、議論を上手く誘導するにはシナリオがないので、いろんなケースについて予め勉強しておかなければならない。

最近、上手く行ったケースとして、簡単な話題を2人で意見をぶつけ合い、結果の発表は求めない、というやり方で、このケースは絶対に受け身で入られない。結論をまとめる必要がないので遠慮無しに自分の意見を出すことが出来る。問題解決をグループ討議で行い意見をまとめる場合でも、あえて3人のグループにしてみると、全員がよく意見を出すようになった。

室内でも安全教育について、改善をしていきたいが、いい方法があったら教えて頂きたい。

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